龍婆碧納幸運星(一廟)
師父: : 龍婆碧納師父
佛曆: : 2500
師父的幸運星都能改變自身運程,請將衰運轉為幸運。財運,人緣異性緣貴人緣都會得到改善。並能擋去不好的東西,保自身及身邊人平安。
龍婆平那大師一生製作多種不同聖物,其中最受新馬泰信眾歡迎的聖物——幸運星,幸運星正面的五角代表著“五大聖佛” 而後方的八角星形則代表著“八方阿拉肯護法神”。此幸運星聖物供佩戴後,可改變自身的流年運程,集五大聖佛作守護,吸納八方招財、人緣及靈氣。
師父不是一位富裕的僧人,所用的材料都是叢林裡收集。
初期,龍婆平那所造的聖物都是以日月星辰形式為主,後期才以佛陀法相為本。早期的材料是以聖木,草藥和黑蜂膠為主,之後才慢慢的添加如草藥,聖木,泥土,香灰和有些是被人廢棄叢林裡的屍骨為材料。
每期造牌個案用料都不一致,我們不能以一概而論也不能夠因為部分佛牌有摻用屍骨而把他所有的佛牌都歸類為全都有加入屍骨。
這是個不正確的歸類方式,很多人因為不夠了解而隨意瞎扯。
後期因為有了廟宇的住處,龍婆平那慢慢的改用草藥和聖土來製造佛牌。目前從Wat Sanomlao所出的佛牌都是純草藥和聖土製造的。
若有人認為龍婆平那的聖物是邪惡的聖物,這是個錯誤的想法。
龍婆平那(Luang Phor Pinak,1913-2002 )。
泰國著名高僧,森林派阿羅漢尊者。一生傳奇無數,神蹟不斷。也是傳奇幸運星佛牌的創造者。圓寂後保持不朽金身,正在被更多人熟知,紅遍全世界。
龍婆平那, 生於佛歷2456年3月1日(公元1913年),生為一位苦行僧他行走泰國和國外各地。於佛歷2507~2527年(公元1964~1984年)停泊在Wat Tam Thakuei。佛歷2527年成為Wat Sanomlao 的主持。佛歷2545年(公元2002年) 靜坐中圓寂,享年89歲。在泰國很多人相信只有聖僧才能有這修為和善果。
龍婆平那來自泰國烏泰他尼府(Changwat Uthai Thani),大師本名叫Tawai Hansak Likit。由於自幼就好學佛法及法術,所以在他九歲時,便在當地的一間名廟Wat Nang Tai出家當小沙彌。當時的寺廟主持龍婆行(Luang Phor Xing)也就成了他第一個師父。在佛歷2481年時,他也曾經向龍婆曼(Luang Phor Man) 及龍婆範(Luang Phor Fan) 學法。佛歷2484年,因為戰爭所以便離開泰國而步行萬里到緬甸、老撾、柬埔寨及印度。
佛歷2486年他也成立了他的第一間廟Wat Tam Kiao,位於泰國洛坤府(那空是塔瑪叻府Changwat Nakhon Si Thamarat )內。第二間廟名為Wat Tam Thakuei 在拍尼春蓬府(Changwat Phakdi Chumphon) 。
對於龍婆平那的第三座寺廟一直以來都有著爭議,許多人都錯誤的把龍婆平那曾經參與佛牌法會的那空納育府(Changwat Nakhon Nayok)的一間寺廟當成龍婆平那的第三座寺廟,但是龍婆平那的第三座寺廟其實是另一個極為隱蔽的山洞。這一山洞也是龍婆平那師父恩師龍普曼曾經居住與修行的山洞。龍婆平那最後定居於wat sanamlao(北標府),並在此寺廟中以禪定姿勢安然圓寂,享年89歲。
當時他在泰國也非常受尊敬及膜拜。他所塑造的佛牌,奇蹟事件不斷。佩戴他的佛牌者個個升官發財,橫財就手。所以一傳十,十傳百,一手轉一手也就造成了價格暴漲。尤其是他所塑造的幸運星,更為出名。他所塑造的佛牌系列,至今價格百萬,甚至千萬,都有人搶購。這也就證實了其中的實力及靈驗。
佛歷2545年10月15日,龍婆平那圓寂了~享年89歲。在他的遺言吩咐中
1、不能火化
2、不能打防腐劑
3、不能做超度法事
4、不能大肆宣揚
5、給於打坐形態
6、安放於舍利塔內
10年後(2555年)出塔,安放於大雄寶殿。並且預言2555年將會紅遍全世界,神蹟不斷。
經過一番波折,聖僧龍婆平那不朽金身法體已於佛歷2556年2月21日(公元2013年)出塔,關於延時出塔,廣大善信普遍認為這是聖僧慈悲,希望更多有緣人能擁有其聖物,一直受到聖僧的祝福和庇佑,以避免出塔後聖物價格暴漲導致的力所不能及。
現在每天都有很多不同各地的信徒帶同供品到佛寺廟參拜及參觀,而且舍利塔前掛滿了花串,還有高僧生前喜歡喝的“紅牛”飲品及各種品牌的香煙
【神蹟傳奇】
龍婆平那師父是一位修行極高的高僧,大師製作的佛牌聖物都以招財起運,招貴人而聞名,他的預言中還提到,當遺體取出後,他所鑄造的幸運星等佛牌將會紅遍全世界,而且神蹟事件接二連三的出現。
神蹟1--Phra Sood 天神
曾經有幾位對於外傳師傅修行很高很不以為然, 於是去找龍婆平那想試探大師的功力,大師就對這幫人說我的佛牌在遇到危險時可以保護周邊8個人。這幫人心想保護一個人都是未知之數,更不用說8個人不相信大師所言,龍婆平那、就叫帶頭的那一位手上拿著一尊他的牌,另一隻手握著一把沙,其餘7人手上都要拿一把沙,8人全部躺下, 把手上的沙往眼睛裡倒。奇怪的是竟然沒有一位眼睛入沙的當場令這一幫人心服口服,此事傳開後無不對大師尊敬有加,所製作的佛牌很受到藏家們的喜愛!
神蹟2:
曾經有一輛由泰國北部去佛寺參拜的旅遊巴士,回程時發生車禍,整輛巴士翻覆,車上42位信徒都平安無事,只是受一場驚嚇而已,原來當時在車上有一位信徒佩戴了幸運星佛牌,大家都深信是幸運星庇佑他們,之後他們都到佛寺恭請幸運星來佩戴保平安。
神蹟3:
在新加坡有一位女強人,是經營百貨生意的,擁有兩間店鋪及自置物業,但被男朋友欺騙感情外還騙盡她所有積蓄及資產,而且更欠下一筆巨額貸款,在三年內無法翻身,生活陷於極困苦。但於佛歷2535年在偶然機會下跟她的好友往Wat Sanomlao找龍婆平那大師請教,大師叫她恭請一枚幸運星配戴,並叮囑她要多做善事,幸而在五年內從谷底反彈,不但清還所有欠款,並擁回物業,其後更擁回店鋪。
巨金怪配招日月 在 劉明昆的創作世界 Facebook 的精選貼文
ASAKU® X Dragon Life
Part.1
この本の全13章。
アサク伝X真龍の魂
原作: 劉明昆
訳者:ZiON
あらすじ
神説年暦36772年
『神説大陸』の地表にある『人間界』『妖精界』『幻獣界』に、緑色の『鏡返ノ核』が出現し始める。毎回の出現場所が不定、中から核を守るための小さな魔物が同時に現れる。出現して24時間後赤色に変化し、半径一キロあたりにて『逆時震盪』でエネルギーを放つ。その力によって時間が過去へN年分に巻き戻し、そしてより強い魔物と、核を守護する『鏡返核獣(ミラーコア獣)』が召喚される。一つの『鏡返ノ核』に一回しか『逆時震盪』が発動しない、が、コアが出現するだけで周囲にいる動物や魔物の狂暴化を引き起こす。
『鏡返ノ核』の出現頻度が約3~7日、現在、コアを破壊する方法が見つかっていない。
『逆時震盪』が発生すれば、半径一キロの範囲内で過去へN年分のタイムリープが起こり、有機物でも無機物でも時間がN年分巻き戻される影響を受ける。例をあげるとつまり、「その場にいる人間はそのN年分若返る」という、実際の存在時間がNより少ない場合は、存在ごと消えることになるが、その範囲から出ると元通りに戻る。単なる時間の巻き戻しではなく、コアを守る魔物も多く出現するのと、そのN年前に存在していた者も一緒に現れるが、魂の持たない攻撃的なゾンビになってしまう。それでも、亡くなった人に会いたい人にとってはどうしても、期待を持ってしまうことでしょう。
魔物による破壊と、どれくらいの時間が巻き戻されるかは予測不能なため、誰も予兆が出る時に影響範囲内にとどまらない。『逆時震盪』が起きれば、逃げるしかない。
神説大陸に存在する種族の中で唯一、『逆時震盪』に影響されないのは精霊族だ。そして、『鏡返ノ核』は精霊界にだけ出現しないと言われている。理由こそ不明だが、『逆時震盪』に影響されない絶対的な防御力を持つ精霊でも、コアを破壊する能力がなく、魔物の出現を阻止するのには封印しか手段がない。
精霊聖王の命令により、『精霊界』光族の封印士・アサクとその仲間たちは、『鏡返ノ核』の出現場所を予測し、『逆時震盪』を測れる【不帰ノ羅針盤】を手に、“『逆時震盪』による危害と大量に出現する魔物の原因・『鏡返ノ核』を封印すべく”と、世界へと旅立つ。
第一章:封印士アサク(Action Chapter)
神説年暦36722年 8月12日 月曜日 午後三時
人間界の『フィル王城』の西南方向にある小さな村『エデンの村』では、『鏡返ノ核』の出現によって、村人たちを撤退させるべく、フィル王城から発遣された軍隊が、人々を守るため魔物と戦う。コアが赤色に変化し始め、残り時間30分あたりで、『逆時震盪』による大量の魔物に備えるため、軍隊が戦線を下げて村の外に包囲網を張ろうとしたその時、布陣の手前に急に『折畳ノ廻廊』が現れ、中から青い服に白マント、【聖印短劍】を持つ魔法使いらしき若い男と、その隣にピエロのようなぬいぐるみと、羽をもつ獅子、そしてかわいらしい女の子が一緒に出てきて、そのまま村へ向かっていく。慌てて止めようとする兵士に、男がこういう。
アサク「俺は精霊聖王のご命令により『鏡返ノ核』を封印すべくここにきた精霊光族の封印士、名はアサクだ。あんたたちみたいな役に立たない小物は早くどっかに逃げるんだな」
兵士 「な、この無礼もの!」
となりに立っている女の子がアサクにストレートを一発かまして、礼儀正しくこう言った。
イリヤ「精霊土族の猛獣使い・イリヤと申します。兄のご無礼をお詫びいたします。こちらの軍隊をお率いになっている将軍様はどなたでしょうか」
この時、将軍らしき男が布陣から出てきて、礼儀正しく挨拶をする。
スタール「精霊界からのお力添え、感謝いたします。俺はフィル王国軍団団長・スタールと申します。どうかコアを封印し、危害をお治めくださいませ」
イリヤ「村にはもう全員撤退しましたでしょうか」
スタール「ええ、全員撤退させました」
アサク「よし、なら安心して暴れるんだな!」
そう言って、ピエロのようなぬいぐるみと羽をもつ魔獅子を連れて村へ駆け込んで、魔物を戦うためにコアへと前進する。
イリヤ「イリアは魔獣の狂暴化について調査するために来ましたの。コアの影響で普段おとなしいものでもとても攻撃的になってしまいますので、どうかお気を付けてください」
イリヤはスタール団長へ一礼してからアサクに続けて村へと入った。
大量の魔物が襲い掛かる。アサクは【聖印短劍】で迎え撃つ。【聖印短劍】に切られた魔物はすべて封印術によって身動きを取れず、そしてその属性の力を短剣の中へ吸い込んで蓄えることができる。ほかの物に触れても同じ効果で、例えば石なら土属性の力を吸い込むことができる。
アサクが魔法を発動するのには、左手に正三星陣、右手に逆三星陣を放ち、吸収した属性の力を手の魔法陣に付与すれば、陣魔法で攻撃できる。敵が複数の場合は逆三星陣で拡散式の魔法を、一点攻撃する場合は正三星陣で集中式の魔法を発する。だが陣魔法の威力は、吸収した属性の力強さで決められる。
イリヤは【愛のムチ】で戦う。このムチに叩かれると、悪の魔獣は浄化され、正常の魔獣ならおとなしくなって攻撃してこなくなる、イリヤの友達になって一緒に戦ってくれることも。
コアに近づければ近づくほど敵が強くなり、アサクが一気にコア近づけることを決めて、【聖印短劍】をしめて、ピエロのようなぬいぐるみへ叫ぶ。
アサク「来い、ゴーストカード! 【日輪ノ剣】へ幻化してくれ!」
ピエロのぬいぐるみが【日輪ノ剣】へと変身し、剣身から太陽のような輝きを放つ。アサクがこの神剣を振りかざし魔物を迎え撃つが、日の光に当たらないところに入ってしまう途端に、剣の輝きが弱まり、力を失っていく。この時に剣からゴーストカードの声が発した。
ゴーストカード「だめです! 光のないところだと【日輪ノ剣】は力を失ってしまいます! もうすぐ日が落ちます。早く片付けないと!」
アサク「わかってる! すぐ片付けるよ」
アサクが魔獅子の背に飛び乗り、コアへ駆け込む。もうすぐ赤くなるコアを前にして、突然、どこか赤子の鳴き声が聞こえた。声を辿ってみると、コアのすぐ近くにある民家の隅っこに隠れている、赤子を抱えている若い女を見つける。
アサク「やばっ! 間に合わない!」
そう言って、アサクが若い女を、イリヤが赤子を抱き上げて、すぐ村の外へ出ようとしたが、時はすでに遅く、『逆時震盪』が起きてしまった!
強烈な震動波が拡散し、周りの景色も変化し始めて、女は塵となり消えていく。なのにまぜか、イリヤが抱えている赤子はなんの変化も起きなかった。驚きながらもイリヤは悲しく叫ぶ。
イリヤ「みな離れたって言ったのに! なんで!」
アサクが懐に入れてある【不帰ノ羅針盤】をみて、巻き戻された時間はちょうど80年。ゴーストカードがアサクに先にコアを処理しないと危害が広がると進言した。イリヤに赤子を守って村から離れるように指示するが、なぜか赤子が起きてからアサクにすっかりなついて、抱いてもらわないとすぐ泣き出す。仕方なく赤子をおんぶしてコアの封印に手掛けるアサクは、イリヤにお父さんって揶揄された。
アサク「あーもう、うるさい!」
赤子がその怒鳴りで泣き出してしまい、二人が同時に人差し指を口の前にかざして「しー」って言ったらまた静かになった。
アサク「コアを守護する魔王が出てきたな、とどめをさしいこう。さっさと任務を終わらせて帰ろうぜ」
このコアの守護魔王が巨大な食人花で、毒をもつ粘液とつるで攻撃してくる。アサクは行風術を使って攻撃をかわしながら飛んでくるつるを切るが、なかなか近づけてとどめをさせないでいる。
奇妙なことに、赤子は戦いの真っ最中でもまったく暴れず泣かずに、すごく静かだった。
イリヤがさき手懐けた短足イノシシを乗って攻撃を試みるが、魔王が強すぎて逃げ回ることしかできない。
この時にもう日が落ちてすっかり夜になってしまった。
ゴーストカード「やばい! もう日の光が――」
そう叫んですぐ【日輪ノ剣】からもとのぬいぐるみの姿に戻ってしまった。アサクはやむを得ずに【聖印短劍】で迎撃する。
アサク「くそ! 【聖印短劍】じゃ効果がない。吸収した属性の力が弱すぎる、もっと大きな炎じゃないとこいつを燃やせない!」
そして魔獅子に向かって叫ぶ。
アサク「俺に炎の攻撃を三回してくれ!」
魔獅子は宙返りして距離を取り、アサクに向かって、口から巨大なファイヤーボールを吐き出す。
アサクは左手を高く上げて手のひらをかざし、正三角形の魔法陣が魔獅子が放たれたファイヤーボールを吸収した。高いところへ跳んで、すぐ食人花の口の前に駆け込み、左手が拳に握って後ろに引き力を蓄えると、三つのファイヤーボールが一つに集中!
そして手を前にかざし、拳を開けて魔法を放つ。
アサク「正三星陣魔法! 火炎竜巻!!」
猛烈な火炎が食人花を燃やし尽くした。アサクはすぐコアの前に行き、透明な水晶で作られた箱【聖獄ノ籠水晶】を持ち出して、表面に刻み込まれている呪文で封印術を発動する。封印を行う間は魔獣がまた襲い掛かるが、魔獅子が守ってくれたおかげでみな無事だった。
眩しい光が放たれ、結界が築かれた。コアを無事封印したが、周りの景色はもうもとには戻れない、80年前のままだった。
助かった赤子を村人に渡そうとしたが、みな”あいつは悪魔の子だ”と騒ぎだして、誰も引き取ろうとしない。それは、赤子の母親が倫理を反して、父親が誰なのかを明かさずにその子を産んだからだ。赤子はなぜかアサクから離れようとしないし、仕方なく連れて行くことにしたふたり。イリヤは手懐けた短足イノシシとお別れをしてから、【折畳ノ廻廊】を起動し、二人は精霊界へ戻った。
第二章:防ぎきれないこと
神説年暦36722年 8月13日 火曜日 午前十一時
精霊王城の会議室にて会談が行われている。参加するのは精霊聖王・オデロス、オーカ将軍、ハプ司祭、精霊の姫君・ジェフロ、アサク、イリヤ、そして人間界から連れてきた赤子だった。
アサクは片足で跪いて、精霊聖王・オデロスにエデンの村でのできことを報告し、その傍らにイリヤがゆりかごに眠っている赤子をみている。
アサク「ことは以上です。聖王様」
精霊聖王・オデロスがアサクに表を上げようといい、となりのオーカ将軍に見解を求める。すると、オーカ将軍の顔がすこし赤いのを気づき、叱るように言う。
オデロス「そなたたちまさか、昼間から酒を飲んだではあるまいな」
オーカ「そ、それはその、ハプ司祭が造った酒が良すぎて、目覚ましにちょうどいいからで……」
ハプ「オーカ、おぬし……せっかくよい酒を取っておいてやったのに」
聖王オデロスがお怒りの様子で少し咳払いをしたら、周りがしんとなってしまった。それから手を一振りして、ハプ司祭がすぐ注いておいた盃を聖王に渡す。一気に飲み干してまことにうまい!と言ってからまた真顔でアサクに続けようと合図をした。
ジェフロ(不機嫌)「父上までおふざけして!まだ公務が残っているのでは」
オデロス「大事ないよ、精霊界がいつものように平和でのんびりだ」
ジェフロ(手を腰にあてて、呆れる)「もう、少しは危機意識を持たないと!」
アサクが頭を掻いてから、片手を顔に覆いて呆れていう。
アサク(独り言みたいな)「この老いぼれたち、本当に『鏡返ノ核』のことを気にしているのか」
オーカ「我々精霊界はそもそも外界のことを干渉してはならん決まりだが、大賢者聖竜王様が、『逆時震盪』が精霊しか対抗できないからと天神界の神託だといい、聖王様にエデンの村のコアを処理するよう、おまえを指名してな」
アサク「またあの陰謀家の聖竜王?やつの言いなりにならなくだって」
オデロス「天神界のお達しだ、仕方ない」
アサク「くそ……」
このとき、ハプ司祭は赤子に近づき、よく観察する。
ハプ「ふむ、この人間の赤子、『逆時震盪』の影響を受けないとは、確かに不思議だ」
同時にイリアが赤子を包み込んでいる毛布を開けてみると、毛布に<ADAM(アダム)>が書いてあて、赤子の背中に、虹紋章のバースマークがみえた。それに驚いたか、聖王がすぐ近寄って赤子の背中を確認し、オーカ将軍も続いた。
オデロス(文字ごとはっきりと)「なんと……虹、聖者」
オーカ「ではこの赤子こそが新たな虹聖者か、名は……アダム」
ハプ「アサクがエデンの村へ出向くのも奴らの計画通りってわけか。一本取られたわい」
アサク「で、どうすればいいですか。この子ずっと俺にべったりで、起きて俺に抱っこされてないと気づくとすげー泣きわめくんですよ。いっとくけどベビーシスタはいやだからな」
オーカ「待った! アサク、前の二つのコアの出現場所、覚えてるか?」
アサク「一つは妖精界の『時間図書館』で、もう一つが人間界・フィル王国東南部の『フジルス砂漠』です。二箇所ともすでに『逆時震盪』が起きてしまったから、聖王様のご命令とおりに、まだ震盪が起きてないエデンの村へいきました。時間的にいけたはずだったけど、この子を助けたため結局封印が間に合いませんでしたが」
ハプ「人間界に出現した二つのコアとも、フィル王国の近くか、どうも匂うなぁ…」
オデロス「いかん! オーカ将軍、すぐ禁衛軍を集結し戦闘態勢に入りたまえ!」
聖王の指示で、オーカ将軍がすぐ会議室から飛び出し、警報を鳴らす。
アサク「どういうことですか??」
ジェフロ「早く赤子を守って」
イリアすぐまだ眠っているアダムを胸に抱きしめた。
ハプ「これは、とんだ企みだ! 『逆時震盪』を利用し、『時間図書館』で偽りの歴史を作り、『フジルス砂漠』にて過去に存在した『ミラージュレーク』を呼び戻した。そしてこの子はやつの手駒…震盪の影響をうけないとわかっててあそこに置いた。おぬしがこの子を連れて【折畳ノ廻廊】で精霊界に戻ることで、震盪の痕跡が残り、もともとコアが侵入不可能の精霊界に隙間が生じてしまったのだ」
まさにその時、急にとどろきのような音が響いて、精霊王城が地震でも起きたように揺らいだ。
ハプ「この子が起きて騒ぎだしたら見つかってしまう。わしが深い眠りにつくように術をかけとくよ。イリア、アダムは任せたぞ。アサクは早く敵襲に対応しろ!」
イリア「了解いたしました。ちゃんと守って見せます」
アサク「そこまで深刻ですか! すぐ向かいます! ゴーストカード、魔獅子、ついてこい!」
二人の従士を召喚して、三人はすぐ音がした場所へ急いだ。着いた時には精霊王城正殿の真上に時空の裂け目ぽっかり空いてしまい、すでに大量の魔物が湧き出している!手前にオーカ将軍が禁衛軍を率いて応戦してるところだった。
アサク「なんてことだ!」
アサクはすぐゴーストカードに【日輪ノ剣】に変身させ、魔獅子とともに戦いに加わった。聖王オデロスもジェフロを連れて正殿に到着。二人の周りには禁衛軍が守りを固めている。同時に、九尾妖狐が時空の裂け目から正殿へと降りってくる。
九尾妖狐「あらまあ…ふふ、美しきあたしをこんなにも大勢で出迎えてくれたのかい、うれしいねぇ、さあ、情熱的な歓声をあげなさい」
アサク「この変態野郎!」
その時、全域空間防御を担う精霊兵士より報告が届いた。
精霊兵士「報告! 聖王様、精霊聖地にて『鏡返ノ核』が出現!」
聖王オデロスがすぐ聖地を守るようにオーカ将軍に指示し、正殿の魔物が聖地に行けないようにと一部の禁衛軍兵士を残し、後をアサクに任せて、その場を立とうとしたが……
ジェフロ「わたくしは残ってアサクに協力するわ!」
オデロス「だめだ! すぐオーカ将軍に続いて聖地へ向かいたまえ」
聖王オデロスがオーカ将軍、ジェフロとイリアを率いて正殿後方にある廊下を通り、精霊聖地へ向かう。
正殿に現れた魔物たちがアサクと近衛軍に着々と退治されていくが、なぜか九尾妖狐がまるで見世物を見ているようにびくとも動かないまま、やがて魔物が彼だけとなった。
九尾妖狐(高笑いして)「スポットライトはあたしだけを照らすものよ。どう? スーパースターみたく輝いているでしょ」
そう言って突然と手を上げ、強い衝撃波を放つ。
精霊禁衛軍を守ろうと、アサクはすぐみなを庇うように最前列に出て、全身から聖光を放ち、【獅幻神裝】を纏って九尾妖狐の攻撃を受け流した。
左従者のゴーストカードが変身した【日輪ノ剣】を手にかまい、右従者の魔獅子が変身した【獅幻神裝】を纏った姿こそ、アサクの完全なる武装なのだ。
アサク(禁衛軍に向かって)「おんたたちはもう聖地に向かってくれ、ここは俺に任せろ!」
禁衛軍兵士「了解しました!」
返事した禁衛軍の兵士たちはすぐさま聖地へと駆け付ける。
九尾妖狐「あたしは、鏡界から降臨した陰魔六将軍、名は九尾妖狐。親しくして~“九ちゃん”って呼んでもいいのよ。さすが天神界の力を得た者ね、アサク。神と精霊の融合体か、本~当、反則よね」
アサク「なんなんだおんたは! 九ちゃんとか、誰が呼ぶか! あいにくこっちは遊んでる暇ないんだな、今片付けてやる!」
九尾妖狐「さて、君ごときで、このあたしに勝てるかしら?うふふ……」
笑い声を発したと思えば、もうアサクの目の前に瞬間移動して、攻撃をかまってきた!
九尾妖狐の攻撃が思ったよりも重く、全身武装した状態のアサクでも、【日輪ノ剣】で攻撃を受け流しながら陣魔法で魔法攻撃を吸収して反撃をするが、どうも苦戦に陥ってしまう。幸い、【獅幻神裝】の防御でなんとか保つことができた。
素早く動きながら攻撃してくる九尾妖狐は余裕ありげに笑いかけてくる。
九尾妖狐「はははっ、神と融合したせいで、もともと持ってた精霊の力を失って、元素魔法が使えなくなったのね。それで受けたものを吸収して反撃に使うしかなくなったわけか。なるほど、これはこれは、神様って意地悪いねー、はははは」
アサク「なんでそこまで俺に詳しいんだよ!?」
九尾妖狐「それは~愛してるから♥だよ(ウィンク)」
アサク「気持ち悪っ!」
九本の尾が一斉に伸び、九尾妖狐がセクターなポーズを取ってこう言った。
九尾妖狐「さあ、あたしのすべての愛を乗せる、最強の一撃をうけてごらんなさい♥」
先と比べものにならないほどの莫大な魔力が九尾妖狐の体に集中していると感じたアサクは、この一撃で勝負がきまるとわかった。
アサク(テレパシーでゴーストカードと魔獅子に)「あれを使うしかない」
ゴーストカード(テレパシー)「マスター、本当に使いますか? まだ完全に使いこなせてないのに、発動した後力が抜けて、いつ回復できるか分からないのですよ!」
魔獅子(テレパシー)「でも確かにそうするしかなさそうです。自分ももう攻撃を受けきれません。まずはやつ倒すことを考えましょう。そのあとは自分たちがマスターを守ります」
心で会話をかわす僅かな間に、九尾妖狐はもう力を整えて、技をぶつけてくる!
九尾妖狐「九重狐撃・滅骸破!!」
まさに同時に、アサクは宙返りして背中から天使と精霊の翼が生えてきて、【七属性ノ鍵】がアサクを中心に飛び回り聖光を放ちながら、七本の巨剣となる。
アサク「俺にはまだ神の力がある! 七鍵衝殺陣!!」
互いの大技が宙にぶつけ合い、九尾妖狐が避けきれずに重傷を負い、間一髪で時空の裂け目を通って鏡界へ逃げ帰って、あまりの強力で精霊王城もほとんど壊滅してしまった。
ゴーストカードと魔獅子が変身を解いてもとの姿に戻り、アサクも技の影響で全身の力が抜けてしまって、意識はちゃんとしてるが、もうまったく動けない状態だ。魔獅子はアサクを背負ってゴーストカードとともに精霊聖地へ向かう。
これで、数万年以来一度も侵入を許したことがないと誇る精霊界も、正式に破られてしまったのだ。
精霊聖地に着くとそこに『鏡返ノ核』が中央の祭壇に現れていて、聖王オデロスが部下たちを率いて湧き出している魔物たちと戦っている姿がみえたが、すでに力が残されていないアサクには何もできない。
アサク「どうしてハプ司祭が、早くコアを封印しないんだ?」
第三章:永凍絶界
神説年暦36722年 8月13日 火曜日 午後二時
精霊界で最も重要な場所『精霊聖地』に、『鏡返ノ核』が出現、ハプ司祭がコアの近くにいながら、魔物ばかりかまっていてコアを封印しようとしない様子。
魔獅子がアサクをハプ司祭のとなりまで連れいった。
アサク(虚弱)「どうしてすぐコアを封印しないんですか。【聖獄ノ籠水晶】をくれたのはあなたなのに……」
ハプ司祭「【聖獄ノ籠水晶】は聖竜王が天神界から持ってきたもの、おぬししか使えないといいおった。だから、コアを封印する任務をおぬしに与えたのだよ」
アサク(虚弱)「そんな……俺はもう、【聖獄ノ籠水晶】を発動する力も残されてない。まさか『逆時震盪』で精霊聖地が破壊されるのをただ見るしかできないというんですか」
ハプ司祭「とにかく休んで、少しでも回復に努めるのじゃ」
この時、イリアが泣きながらこちらに走ってきた。
イリア「うう……黒マントの男にアダムを奪い去らわれてしまいました。イリアでは全然太刀打ちできなかったの。ごめんなさい、イリアのせいだわ、どうしよう……」
アサク「あなたは悪くねえよ、もう泣くな」
ハプ司祭「精霊界に来てアダムを奪うことも、やつの計画の一環なんじゃろうな」
オーカ将軍が精霊禁衛軍を率いて攻撃の陣を組んでコア周辺にいる魔物たちに反撃を繰り返し、聖王オデロスがコアの真上に雷撃の術をかけてコアを打ち砕こうとするが、まったくの徒労だった。
この時に、強い黒き光が聖地の高台から放て時空の裂け目を作り、その中から黒竜に乗っている騎士の姿が現れた。彼は響き渡る声でいう。
フィリップス「俺様は陰魔二将軍、フィリップスだ。鏡界を代表し、正式に精霊界に宣戦布告を告げる!」
このフィリップスと名乗った黒竜を乗る騎士から放たれる特殊な魔力に、ただならぬ恐怖を感じたかのように、周りの魔物たちがみな身動きがとれなくなっている。
アサク・オーカ「これは! 失踪した風族の精霊・サルの霊力!?」
アサク「どうしてあいつから精霊の力を感じるんだ!」
オーカ「いや、正しくは風属性の精霊の力と闇属性の魔力が混ざり合っている強大の力だ! この精霊界では相手になれる人いないかもしれん」
オデロス「……」
フィリップス将軍が手を振ると、黒竜から強い竜巻が襲ってくる。精霊禁衛軍軍団の大半が竜巻の勢いに耐えきれず吹き飛ばされ、何人か苦労して防御術を立ち上げて対抗しようにもあまり効果が見られない中、なぜかジェフロにだけまったく影響がなく、すこしもダメージを受けていない。その様子をみて、聖王オデロスはすぐみなに指示をだす。
オデロス「ジェフロ姫の後ろに隠れろ!」
精霊軍団が群れとなってジェフロの後ろにくっついて、ジェフロが移動すると軍団も続いてくという、なんとまあ奇妙な絵面になった。
ジェフロ「どうして私の後ろに隠れるのよ。私はあのフィリップス将軍というやからを懲らしめにいきたいの!」
そういって奔ろうとするけど、姫が動いてしまうとみな吹き飛ばされるからと、周りに止められる。
ジェフロにだけ起きるこの現象に気づき、フィリップス将軍が急に激動した様子でジェフロに駆けてくる。みながジェフロをかばおうとする時に、まさかの攻撃ではなく、フィリップス将軍がジェフロを抱き込んで強引にキスした。その場にいる全員が目の前に起きたことに驚いていると、軍団に襲い掛かる竜巻もフィリップス将軍のこの行動でやんだのだ。
ジェフロが我に返って顔を真っ赤にし、怒りと恥ずかしさが混ざり合い、フィリップス将軍を突き出して、ぱっとビンタを食らわせた。
ジェフロ「この……不届き者! この私に無理やりキ、キスするなど! 何様のつもり!」
赤くなる頬に手を当て、ガッカリした様子でフィリップス将軍はいう。
フィリップス「君は…忘れたのか……」
そしてすぐ近寄った黒竜に乗り、高く飛んで離れた。
遠くに離れていくフィリップスの後ろ姿を見て、ジェフロはなぜか、胸が悶々と締め付けられる気がした。指で先強引に奪われた唇を撫でてみると、涙が勝手に流れてくる。
ジェフロ(心の声)「この悲しい感情はいったい……?」
フィリップス将軍が精霊軍団の表に戻り、大声で言い放つ
フィリップス「精霊界の最強のものを出してこい!」
すると、オーカ将軍が陣から高く上へ跳んで、マウントであるグリフォンを召喚して背中に乗り、フィリップス将軍と対峙する形になる。
オーカ「俺はオーカ将軍じゃ。精霊界最強の守護者が相手してやる」
フィリップス「ほう、この時をずっと待っていたぞ。やっとオーカ将軍とやり合う機会がきたか」
オーカ「一つ、疑問に答えてもらおうか」
フィリップス「ふんっ、二つとも答えてやるよ。一つ、そう、俺様そこが、かつて失踪した風族の精霊・サル。二つは……お前らが知ってるサル、もともと二人いたのだ。一人が精霊界に、一人が鏡界にいる。だが、俺様の本当の名は、フィリップスだ」
すでに弱っているアサクをちらっと目をやり、フィリップスは続いてこういった。
フィリップス「そのアサクと同じ、”ダブルフェース”をもっている」
オーカ「なんだと!」
アサク(心)「”ダブルフェース”……ってなんだ?」
この時、ゴーストカードがフィリップス将軍が身につける剣をみて、慌ててアサクに話しかける。
ゴーストカード「大変です。あの人、【月輪ノ剣】を持っています!」
アサク「そんな、まさか」
ゴーストカード「僕のセンサに間違いはありません。なぜなら僕と【月輪ノ剣】は、セットのゴーストカードだからです!でも、なぜあの人が【月輪ノ剣】を持っているんでしょうか」
フィリップス「国としての挨拶はここまでにしょう。そろそろ戦いを始めようか、まずは……」
フィリップス将軍が指を鳴らすと、精霊聖地に現れたコアが急に色が変わって、『逆時震盪』を引き起こす状態になった!アサクを含めて精霊族の全員が、自分の目を疑わずにいられない!
アサク「あいつ! 『逆時震盪』を加速させやがった!!! 早くコアを封印しなきゃ!」
でも依然と体力がもどらないままのアサクは、魔獅子の背中から降りる気力もない。
アサク(魔獅子に)「コアに触れるように、近づけてくれ」
魔獅子は指示に従ってコアのすぐそばまで近づけて、ゴーストカードがアサクの右手を支えて、コアに触れた。触れた瞬間に、コアの色の変化が明らかに遅くなったものの、アサクが冷や汗をかいてひどく苦しい表情をしている。
ハプ「よせ、アサク。それでは封印は無理じゃ、ただの時間稼ぎにしかならんし、そのままだとおぬしが力尽きでしんじまう!」
アサク「ただの時間稼ぎでもいい、もう、今の俺にはこれしか…」
するとイリアが自分の手をアサクの手に重ねた。
イリア「イリアも、お兄さんと一緒に精霊界を守ります!」
アサク(頭を少し下に向いて)「ああ」
オーカ将軍がグリフォンに乗ってフィリップス将軍へ突撃をかける。二つの世界での最強戦力を持つ男たちの対決は激しく繰り広げられて、交わる攻撃の震動波で近くにいる魔物も、一騎打ちを見守る精霊軍団も痺れさせられて、ただその場に動けずにいた。
長い戦いとともに時間が過ぎ去り、アサクもそろそろ限界を迎えてしまう。
フィリップス(オデロスに向かって)「精霊聖王よ、一つ教えてやろうか。この【鏡返ノ核】に設定されたタイムリープの時間は、ちょうど1000精霊年前だよ(人間界約41年)! そう、その精霊八大族の時代に!」
フィリップス将軍の言葉で、精霊族のみなが一気に顔が青ざめた。
オーカ「好き勝手にはさせん。混沌極まりないの1000精霊年前などに戻ってしまったら、今の世界線の神説大陸の全面的壊滅を招いてしまう!」
オーカ将軍が奥手の” 圓気裂衝砲”を発動しようと同時に、まさかのフィリップス将軍も、同じ大技をかけて決着をつけようとした。
オーカ「ほう、おまえは確か、俺のまなでしの精霊界のサルだな!」
が、それを聞いたフィリップス将軍はただ微笑んで、答えようとしなかった。
二つの技がぶつけ合うと同時に、アサクとイリアの力ももうコアを抑えることができなくなり、コアが鮮やかな赤色を放ち、『逆時震盪』はまさに引き起こされようとしていた時に。
オデロス「精霊界の王として、精霊界をいまここに壊滅させるわけにはいかん。すべての空族精霊よ、集結し伝送陣を発動せよ!」
空族精霊たちがすぐさま伝送魔法を発動する。
オデロス(オーカ将軍とハプ司祭に向かって)「精霊界を守りたまえ!」
オーカ将軍とハプ司祭はすぐ聖王オデロスのもとに駆け付けた。
ハプ(アサクに向かって)「いけ! できるだけ遠くへ逃げるのじゃ!」
聖王オデロスが手のひらに特殊のトーテムをかけると、トーテムが一匹の鷹となり、地中に向かって飛び潜った。そしてオーカ将軍とハプ司祭に頷きで合図をして……精霊界最大な封印術を発動する。
オデロス・オーカ・ハプ「永凍絕界!!」
『逆時震盪』が始まる頃に、空族の伝送魔法も発動した。
フィリップス「くそ! 精霊界ごと時間を凍結しようだと! 俺様はこんなところに閉じ込められたりはしない!」
そういってすぐ時空の裂け目を開けたが、ジェフロを一目みてから裂け目に入って姿を消した。
『逆時震盪』は永凍絕界によって止められてが、同時に伝送陣も停止してしまい、すべての精霊を伝送することはなく、アサクは幸運にも、伝送で逃げることができた。その瞬間に、ハプ司祭の声が聞こえた。
ハプ「精霊界を救うのには、精霊女王アランダを見つけるしかない。頼んだぞ、アサク」
アサクは涙が止まらないまま、伝送通路に入り、そのまま気絶した。
この戦いの末、精霊界の時間は止まったままになり、誰も入ることができず、そして、誰も出られなくなってしまったのだ。
第四章:人魚之淚
神説年暦36722年 8月19日 月曜日 午前十時
目覚めたアサクが初めに聞こえたのが、ゴーストカード、魔獅子とイリアの三人の声だった。
ゴーストカード、魔獅子、イリア「よかった!」
ゴーストカード「マスター! やっとお目覚めですか!」
イリア「もうーお兄さん! 二度と目覚めないかと心配したんだから!」
アサク「俺は……大丈夫だ。ここどこだ?」
ゴーストカード「僕たちは幻獣界の人魚国に伝送されたのです。女王様がこのお部屋を手配してくださいました!まさか一週間も眠り続けるとはな」
周りを見渡してみたら、さんさんと輝く日の光が水を通して照らしてるとても暖かい部屋だが、どう見ても女性の部屋だ。
ゴーストカード「人魚国には女性しかいませんからね」
アサク「ええ……」
アサクの身の周りにたくさんの花が飾っている。
アサク「で、この花はいったい……」
ゴーストカード(肩を軽くすくめてニヤっと)「マスターのファンたちから送られてきたものです。もう人魚国丸ごと虜にしちゃってるくらい大騒ぎですよ。お見舞いといって花を何度も持ってくる子もいます。なにせ女王様が自ら『美しき眠りの精霊王子』という異名をつけちゃうくらいですからね……」
魔獅子が顔をそらして笑いをこらえている。
そのとき、外から雑踏とした人の声がしてきた。ゴーストカードが、もう起きたってバレたら大変な目に合うから、早く寝たふりをするようにとアサクに合図し、ぬいぐるみのふりをした。アサクが横になって寝たふりをすると、やはり十何人の人魚の女の子がプレゼントと花をもって部屋に入ろうとする。魔獅子がすぐ姿をけして入口を塞ごうとしたが意味がなく、女の子たちが部屋に駆け込んできて、祝福を込めてアサクの頬にキスして、わいわいとはしゃいでからやっと部屋をでた。
皆出た後、アサクは起き上がり、キスされた頬を少し撫で顔を赤くして、満足しそうに笑った。それをみて、隣のイリアは不機嫌そうに口を尖らせた。
ゴーストカード(アサクの頭に一発殴って)「しっかりしなさい!」
アサク「俺見世物じゃねえし。早くここを出て情報を探そう」
イリア「お兄さん今や『美しき眠りの精霊王子』ですから、そのまま外にでると騒ぎになっちゃいます。イリアが変装して差し上げますわ」
人魚国は結界によっと海の中に沈んでいる王国で、結界の中なら、地上と同じように呼吸ができるところ。
この日、大通りに変な歩き方をする一人の人魚(?)の女性(?)がいた。そう、それはまさに、髪型を変えて化粧もし、方にピエロのぬいぐるみを乗せたメイド服姿のアサクだ。その隣に人魚に成りすましたイリアと、術で姿を消した魔獅子。
アサク「なんで俺が女装しなくちゃならねえんだよ! 不格好だし、下スースーするし!」
イリア(笑いながら)「パンツを履かないからでしょう」
アサク「女のパンツなんてぜってー嫌だ!」
ゴーストカード「こうでもしないと、街中で正体ばれたら、何千何万の人魚の女の子が寄せてきますよ」
魔獅子「さすがにそんな大勢は止められませんな」
アサク「ここ一体どうなってんだよ。空気もすごく濁ってる気するし、風もない、なんか変な感じ」
ゴーストカード「人魚国は昔からとても排外的で、特に同じ幻獣界の百獣国とは敵対関係です。僕も魔獅子も百獣国の民なので、気付かれないようにしないといけません。人魚国は精霊界との関係がとても良いと聞きます。それで、こちらに伝送されたかもしれません」
二人が会話している間に、イリアがすれ違った天使魚と交流し始める。
アサク「魚と話してんの?」
イリア「イリアはすべての生き物と意識疎通ができるのです。かわいい子をみたんら友達になりたくなるんですよ。」
アサク「俺はゴーストカードと魔獅子としか話せねえから」
この時、向かいに何人のメイドを連れて歩く貴婦人らしきの女性がアサクをしげしげと観察する。今にもバレたかとはらはらする二人だが……貴婦人はイリアを眼中にない様子でアサクに話しかける。
貴婦人「あら、ちょっと胸が足りないけど、なかなかじゃないの~あなた、名は何という?どちらの使いなの?」
アサク「お、おそれいります。あ、アクリアといいます。えっと、マダムメールに仕えております」
貴婦人「なんと! あなたのような美人が、あのメールに仕えてるなんて、もったいないわ!」
貴婦人すぐ懐からパールを十個取り出してアサクに渡してこういう。
貴婦人「はい、持って、これは前金よ。すぐあのばばあのところを出て。明日からヴィタリス公爵邸に来なさい」
勝手に言い終わると、パールを手にしてポカンとした顔のアサクたちをお構いなしに、メイドたちを連れてその場を去っていった。
アサク「おっぱい足りないとか……」
イリア「アクリアって……ははははは~女装でもお気に入りされちゃって、すごいですわお兄さん!しかも、デタラメに言ったのに、まさか本当にマダムメールがいるなんて、はははは」
となりにいる魔獅子がもう笑いすぎて腰がぬけそうだ。
アサク「笑う場合か! 大事な任務があるんだぞ! コアがどうなってるわかんないし、ハプ司祭が精霊女王を見つけて精霊界を救えと俺に言ったんだ。メイドごっこしてられるかつうの!」
ちょうどおなかが鳴ったから、近くのレストランが見えて、とりあえず腹ごしらえをしようと店に入った。イリアが天使魚とバイバイして、アサクと一緒に一番目立たない隅っこの席に座ると、メニューに目を通す。
アサク(メシューを見て)「ワンセットでパール一つ!?」
ゴーストカード(すぐアサクの口をふさぐ)「しー、大声出さないでください。嫌なら女王様が用意してくださった部屋にお戻りになれば?なんでも使い放題ですよ」
アサク(プルプルと)「ぜってーやだ。(ちょっと恥ずかしく)まあ女の子にモテるのは悪い気しないけど…」
イリア(一発殴って)「お兄さんのスケベ!」
店員「お決まりですか」
アサク「セットを四つくれ」
店員「お二人でそんなに? 本当にたべられますか?」
アサク「大丈夫。食べられるよ」
店員「かしこまりました。ではパール四つ、いただきました。すぐご用意いたしますね」
食事が運ばれたら、アサクは飲み込むようにパクパクと食べて、ゴーストカードと魔獅子はテーブルの一角にコッソリと食べた。
アサク「俺たちはやく人魚国から出るべきだと思う。百獣国へ行って俺の友人のブラッド国王に助けをもとめよう」
魔獅子「そうはいっても、人魚国では【折畳ノ廻廊】の使用を禁止してるから伝送は無理です。地上の百獣国へ行くのには連結通路を通らなければならないが、もちろん警備がつけてるから、人魚女王の許しがないと通してもらえないんじゃ…」
イリア「それに、何の挨拶もなしに消えるなんて、失礼極まりないことですわ。ここはやはり一度女王様にお礼を申し上げに謁見をした方がいいとイリアは思います。」
ゴーストカード「人魚国と精霊界とは交流がありますが、わざわざ『美しき眠りの精霊王子』なんてマスターの存在を宣伝することに、なにか良からぬ意図を感じます。」
アサク「でもなぁ、戻らないとすると、金を稼がなきゃだな……」
イリア(笑いながら)「お兄さんにメイドになって、イリアたちを養っていただくしかほかありませんね」
ゴーストカード・魔獅子「そうですね」
アサク「なんで俺ばっかりー」
楽しい会話の中で、誰もすでに人魚兵士に囲まれたことに気づかなかった。
人魚兵士「精霊界からきた高貴なる友よ、ご相談があるので王城へと、女王陛下直々のお誘いでございます。」
アサク「あ、見つかっちゃったか」
人魚国王城へ移動する途中でも、熱心のファンたちが道の両サイドを囲んでアサクに“精霊王子さま、愛してる”なんて歓声を上げていた。
夜の人魚国王城にて、案内された正殿では、人魚女王が王座に座っていて、アサクたちの到着を待っていた。二人は一礼する。
アサク「女王陛下、精霊界のアサクと申します。貴国に来たのはその、事故によることでして、どうかお許しください」
ミカナ「わたくしが人魚国女王・ミカナと申す。付き人の二人も、姿を現すがよい」
ゴーストカードと魔獅子は一斉に術を解いて現し、女王に跪いて挨拶を。
ゴーストカード・魔獅子「ご無礼をお許しください」
ミカナ「よい。状況はわかっている。皆のもの、もう去るがよい」
そして正殿には、アサクたちと女王だけが残っている。
ミカナ「わたくしに着いてまいれ」
女王がアサクたちを宮殿にあるガーデンの一角へ連れてきた。
ミカナ「静かに見ておれ、そして何があっても、アサク、わたくしに合わせておくれ」
どういう意味かさっぱりだが、アサクは了承した。
この時、ガーデンに若い女性が歩き出て、上から真っ白な髪をした精霊らしき男が、女性の前に舞い降りてきた。二人は愛情深くに見つめ合い、男が貝殻とクリスタルで飾った花束を取り出して、女性に話しかける。
白髪の男「人魚姫・ユリア、どうか、俺と結婚してくれ」
ユリア(首を振りながら)「フルフィ様、ごめんなさい。婚約はお母さまにお許しを請わなければ、お約束できませんの」
白髪の男(手を引き)「ならば駆け落ちだ!」
ユリア(もう一度首を強くふる)「私もあなた様をお慕い申し上げておりますが、そのようなことは許されませんわ」
フルフィが強引にユリアを連れて行こうとすると、ミカナ女王が影から出た。
ミカナ「この無礼者、娘からその手を離し、今すぐ立ち去れ!」
フルフィ「女王だからって俺が怖気づくとでも思うのか。本気で暴れたら、この人魚国では俺に勝てるやつなんかいないぞ」
ミカナ「さぞ傲慢とみえる。まあ確かに、わが人魚国は、強いおのこを国王にし国を守ってもらう必要があるが」
フルフィ「はは、それって俺たちの婚約を認めるってことだろう?」
ミカナ「国王は実力と美しさを備える随一のおのこでしかなれぬ」
フルフィ「それはそれは、お褒めに預かり光栄だ、女王陛下」
ミカナ「否、その資格があるのは、そなただけではない。最近王国にいらっしゃった『美しき眠りの精霊王子』が、そなたより容貌が優れて、国民に愛されているのだ」
そう言って、アサクが隠れている物陰に指をさした。
アサクは仕方なく出てきて、どうにもかたくるしい感じで言う。
アサク「俺こそ、真の国王になれる精霊王子だ。貴様、俺をみてさっさと恥じ入って消えるといい」
フルフィ「ならばやってみようじゃないか、誰が勝つか定かではないぞ。な?精霊族のアサク」
アサク「! なんで俺を知ってる??」
フルフィ「……」
ミカナ(一度手を叩く)「もうよい、口喧嘩はおよし。女王たるもの、公正公平でなくてはな。ならば、正式に試合を行うことにしよう。勝つほうが、ユリアの夫となり国王になる。」
アサク「なんだって!?」
フルフィ「のった! いつだ?」
ミカナ「三日後、人魚国のコロシアムにて。」
ユリア「お母さま! なぜそのような勝手な約束を……あんまりです!」
悲しむユリアは泣きながら走っていった。
フルフィ「首洗って待ってろ」
そして飛び立って夜の空に消えた。
アサク・ゴーストカード・魔獅子「はめられた……」
女王は静かに頷いて微笑みをみせた。
正殿に戻ると、アサクがトンと床に座り、とても不機嫌な様子だ。
ミカナ「すまなかった。がしかし、それも無礼を承知で仕方なくしたことなのだ。なにせ、人魚国にはもはや幻獣であるあやつを止めるのに十分な力を持たぬからのお」
アサク「幻獣?フルフィのことですか、女王陛下」
ミカナ「いかにも。あやつが幻獣界百獣国『幻化部族』狐の一族のもの。人魚の民は決して百獣国のものと結ばれてはならぬのだ」
魔獅子「今の幻獣界では三大国が均衡の敵対状態にあります。ゴーストカードと自分も、囚われてないだけでも幸いってくらいです」
アサク「でも、人魚国って軍備がそこまで弱まってますか。それに二人が愛し合ってるのなら、別に硬く掟を守らなくても」
女王が立ち上がり、王笏で王座の真上を指すと、天井が突然崩れて、その奥にあるのは……
アサク「鏡返ノ核!? しかももう真っ赤で……すでに震盪が発生した!」
すぐ【不帰ノ羅針盤】を取り出して、巻き戻された時間を測るが、なんの変化も見られない!つまり、人魚国が『逆時震盪』の影響を受けなかったことになるが、ありえない。一体どういうことだろうと、アサクは驚きを隠せない。
その時、大量の魔物がコアから湧き出して、みなすぐ戦闘態勢に入る。その中の一匹が女王に襲い掛かる。
イリア「陛下! 危ない!」
驚くことに、魔物が女王の体を触れることなく、そのまま通ったのだ。
ミカナ「心配ない。精霊アサクよ、この鏡返ノ核を封印してもらえぬか」
アサク「わかりました!」
仲間の援護でコアに近づけて、【聖獄ノ籠】で封印を成功すると、呪縛から解き放ったように、今まで人魚国を覆う濁った空気が一気に晴れた。
再び王座に座り、女王はことの真相を語り始める。
ミカナ「コアが出現したのが半年前のこと。我が人魚国軍隊の総出でも、魔物の軍勢には太刀打ちできなかった。そして、『逆時震盪』が起きたのだ」
アサク「ではなぜ時間の変化が測れなかったのですか?」
ミカナ「それは巻き戻された時間の長さが130年がゆえ。130年前、人魚国はこの深い海の底ではなく、ちょうどここから真上の島にあった。海に沈んだのが30年ほど前のこと」
ゴーストカード「てことは、震盪のせいで130年前の人魚国が今再びそこで現れたってことですか」
ミカナ「そうじゃ」
アサク「じゃ震盪の後…ここは……」
ミカナ「消し去られてしまったよ、なにもかも。今そなたたちが見るすべてが思念体だ。それでも、我々は今もこのように、ここにおる。」
左耳に飾ってる雫の形をした耳飾りを取り、女王は続けた。
ミカナ「これは人魚国の国宝・【人魚ノ涙】というもの。『逆時震盪』の際に引き起こされた全国民の恐怖と悲しみが、【人魚ノ涙】の力を発動させた。」
アサク(悲しむ)「今目の前の女王陛下も、ここにきてから見た人魚たちもみな……【人魚ノ涙】の力によって保存された魂ですね……」
イリアがもうこえずに泣き出している。
ミカナ「心優しき精霊、アサクよ。わたくしは、ユリアとフルフィの愛を、婚約を認めぬわけではない、できぬのだ。そうさせてしまったら、ユリアも民もみな、国が滅んだこと、自分がもうこの世にいないことを思い出してしまう。どうかこの秘密を、守っておくれ」
二人は涙を流しながら頷いた。
ミカナ「芝居でもよい。フルフィを破り、ユリアと結婚し新たなる国王になって、民に希望を与えてやっておくれ。そしたら【人魚ノ涙】も役目を遂げ、人魚国は幸せ満ちる中で消える。これがわたくしの最後の願い、手伝ってくれるかい」
アサクは黙ったまま頷き、イリアが王城に響き渡るくらい大泣きをした……
三日後。
人魚国のコロシアムは人で賑わっている。ほぼ全国の人がここに集まって、人魚の姫君の夫を決める試合を楽しみに待っているのだ。
用意を済ましたアサクはゆっくりと、会場へ続く廊下を通り、コロシアムに入る。
第五章:幸せの微笑み
神説年暦36722年 8月22日 木曜日 午前十時
ほぼ全国の人が集まったコロシアムでは、熱烈な歓声が上がっている。今日の試合で、ユリア姫の夫となる、新たなる国王が決まるのだ。みなの期待の中で、試合が始まった。
アサクとフルフィはリングの中央に立っている。すでに対峙する二人だが、表情から気持ちの差がうかがえる。今にも暴れ出しそうに興奮しているフルフィに比べて、アサクはどこか悲しみを漂う感じだ。アサクが女王に一目をやると、女王が軽く頷いた。その左には泣き止まないユリア姫に、右がイリアが座っている。
法螺貝を吹き鳴らす音がコロシアムに響き渡り、試合開始!
フルフィが手にエネルギーで形成された槍で襲い掛かり、アサクはゴーストカードと魔獅子の力で武装状態で構える。【日輪ノ剣】と【光ノ槍】がぶつかり合い、火花を放つ。一進一退の攻防戦はどちらも譲らない気合だ。この時、フルフィが“光剣魔法”で攻め寄せてきて、驚いたアサクはすぐ左手のシールドで防御した。
アサク「! 見間違いじゃねえよな、あれは俺の光剣魔法だよね?」
魔獅子「はい、確かに、光剣魔法です」
フルフィ「あれ、おかしいな。アサク、お前魔法が得意じゃなかったっけ?なんで剣ばっかり使うんだ?魔法はどうした?」
アサク「う……」
ゴーストカード「マスター! このフルフィ、なぜか懐かしい気がします。きっと僕たちが知ってるものです。」
フルフィ「面白くなってきたな。んじゃ、遠慮なくいくぜ!」
手のひらからどんどん光剣魔法を打ち、同時にアサクに向かって突進して【光ノ槍】を突き刺す!
アサクは右手に持つ【日輪ノ剣】で【光ノ槍】を受け止め、左手に正三星陣魔法を自分に向かってきた光剣を吸収しようとしたが、三発までしか容量がなく、やはり何発はくらってしまった。そして体を捻り三星陣魔法“極光聖破”を出した!この攻撃を予想できなかったフルフィは間一髪でこの攻撃を避けたが、余裕を与えずに続いて【日輪ノ剣】を振って出された“陽輝閃撃”の挟み撃ちについに負傷、慌ててアサクとの距離を引き離した。
フルフィ「やるじゃないか、でも光属性の魔法攻撃は、同じ属性の俺には効果が出ないぞ。吸収での反撃だけじゃ、俺を倒せない!」
そういって、真っ白な長い髪を持つ精霊の少年の姿が歪み、巨大な白いキツネと変身した!そして周りに同じく白いコギツネが何匹も一緒に現れた。
アサク「うっ、俺キツネ苦手なんだけど……」
コロシアムに悲鳴があちこちから聞こえてくる。人魚国の人たちが逃げ回り、愛する人が異形のものに変貌したのを目の当たりにしたユリアは恐怖で戸惑っていると、これそこがフルフィの真の姿だと女王に告げられ、騙されたと思わず涙がこぼれる。
巨大な体と尾を駆使して攻撃してくるフルフィ。魔法による攻めも止まらず “星雲貫通銃”を出した時、アサクはゴーストカードと魔獅子を離して、両手同時に正三星と逆三星陣魔法を発動し、フルフィが放つすべての光の矢を吸収した。
空中に高く飛んで、両手の手のひらを合わせて、左には正三星の陣、右には逆三星の陣、天地印結!両手の陣魔法が一つになり、光の六星陣魔法を放つ!!
アサク「霸・極光殺陣!!」
全方位からの光剣がフルフィに襲い掛かった。同じ属性だと効果が弱まるが、無数の剣陣でフルフィがバランスを崩したそのすきに――
アサク「こい!【日輪ノ剣】!」
ゴーストカードが変身した【日輪ノ剣】を右手に握って、フルフィの頭の上に飛び乗り、剣のさきを脳天に打ち込みとする時、魔獅子が突然アサクを止めた。
アサク「魔獅子?」
ゴーストカードも変身を解けてアサクにやめるように願った。
アサク「なんで止めるんだ?」
ゴーストカード「フルフィが誰なのか、まだわからないのですか、マスター」
その時、力尽きたフルフィが倒れて、本当の姿――一匹の小さな白いキツネに戻った。
イリア「かわいいですわ!」
ユリア「その姿なら、いいかも……」
女王の睨みで二人はすぐ口をつむいだ。
フルフィ(アサクに跪いて)「強きものに従いしもべとなりて、われここに契約を結ぶことを誓う」
そしてフルフィの体が無数の光の粒子になり、アサクの手のひらに集中すると、ゆっくりと槍の形になった。
アサク「これは…【光ノ槍】だ! 俺が小さな頃に失くしたあの【光ノ槍】だ!」
【光ノ槍】を高く掲げて勝利のポーズをすると、コロシアムに喝采が沸いた。
ミカナ「これにて、アサクを我が国の新たなる国王、わが娘・ユリアの夫となる。さあ、みなのもの、祝言の用意じゃ」
夜、用意された部屋で休むアサクたち。
アサク「あの時、精霊界の『嘯きの谷』から人魚国に流されてたんだ。で、震盪の影響で【光ノ槍】の封印が解かれて幻獣の姿を取り戻したあなたは、ユリア姫に一目惚れして、精霊に成りすまし恋人になった。」
フルフィが黙って頷く。
イリア「だからユリア姫を連れだして、最後くらい幸せになってほしいと思ったのですね。」
フルフィ「……(泣き出す)」
アサクがフルフィの手を取って言う。
アサク「あした、一緒に人魚国を幸せにしよう」
アサクの言葉を聞いて、フルフィは我慢できずに大きく泣き出した。
イリア(フルフィを抱きあげる)「泣かないで、よしよし、フルフィ、イリアとお友達になりましょう」
翌日、盛大な婚礼が行われた。華やかなヴァージンロードを歩くアサクとユリア。傍らにいるイリアの笑顔が、なぜか少し引きつっていた。
女王自らアサクに栄光ノ指輪を付けて、新しい国王の誕生を告げる時、人々は楽しい歓声を上げながら、満面の笑みでありがとうと言い、一人また一人、ゆっくりと消えた。女王がアサクの手を、ユリアがフルフィの手を握りしめ、微笑んで感激を伝えると、耳に飾っている【人魚ノ涙】がひび割れ、二人もゆっくりと姿が消えてゆく。完全に消える前に、女王がアサクにこう言った。
ミカナ「130年前のあの人魚島へ行くがよい。王座に隠してある【人魚ノ涙】を探したまえ。それは幻獣界三大神器の一つ、必ず探し出し、わたくしに届けておくれ」
アサク「届けるって、どうやって??」
女王に聞こうにももう完全に消えて、人魚国にはもう生気が少しも感じなくなって、結界が消滅するとともに、海水が入ってきた。
アサク「ヤバい! 城が水没しちまう! とりあえず地上に逃げよう!」
ゴーストカード「結界が消えたから【折畳ノ廻廊】もう使えるはずです!」
イリアがすぐ【折畳ノ廻廊】を使い、みなを伝送した。
神説年暦36722年 8月24日 土曜日 午後三時
震盪によって再び出現した130年前の人魚島に到着したアサクたち。コアがもう封印されたので、大して強い魔物がいないし、雑魚を片付けていくと、王座の下に【人魚ノ涙】を無事見つけることができた。
アサクは【人魚ノ涙】をペンダントにして、フルフィにつけた。彼はペンダントを握りしめて涙をこらえながら誓う。
フルフィ「……今度こそ、必ずユリアを守って見せるよ」
指に付けられてる栄光ノ指輪をみて、アサクが呟く。
アサク「俺、結婚しちゃったんだな」
イリア(心)「本当に結婚したわけではないのに、なぜかお兄さんが取られた気がします。イリアが落ち込む理由なんか、ないはずのに、この気持ちは……?」
イリア(涙目でアサクに抱きつく)「イリアはずっとお兄さんと一緒にいます。イリアを一人にしないで」
アサク「? どうした? 大事な妹を置き去りにするはずねえだろう。よしよし」
イリア「イリア、お兄さんが大好きです。お兄さんのお嫁さんになるのはイリアだけですよ!」
アサク「え?」
一瞬、沈黙の時間が流れた。
話を変えようとゴーストカードが言う。
ゴーストカード「これからどうします? マスター」
アサク「俺がエデンの村に向かう前に、すでに妖精界の時間図書館で『逆時震盪』が起きていた。そして、今回の人魚国、正直ショックだよ……妖精界の現状が気になる。だから妖精界へ行こう、もしかしたら時間図書館でなにか新しい手がかりが見つけるかも」
一同「うん!」
【折畳ノ廻廊】を開いた。アサク、イリア、ゴーストカード・ウダ、魔獅子・サモエドに新たに加えた幻狐・フルフェ、一行が次なる目的地・妖精界へ向かう。
第六章:矛盾たる真義宝典
神説年暦36722年 8月28日 水曜日 午後七時
アサクたちが妖精界に到着するものの、妖精の森に迷い込み、どうしても妖精王国にたどり着けない。
アサク「妖精界の結界って厄介だな、まるで迷宮みてぇだ。どう歩いても出れねえし、【折畳ノ廻廊】で直接伝送もできない。これじゃいつまでたっても時間図書館にたどり着けねえぞ……」
新しくできた友達のガガ鳥を肩に乗せて、イリアも疲れた顔でいう。
イリア「もう歩けません……少し休憩しましょうよ、お兄さん」
フルフィ「腹減ったー」
アサク「しかたない、キノコを採ろう」
フルフィ「ええ~来てからずっとそれじゃん……」
その時、おいしい匂いがどこから漂ってきた。たどってみると、池の近くに美味しそうな鍋が出来上がっている。
アサク「いい匂いだ!」
フルフィ(マイ食器を取り出して)「準備万端! 食べよう」
アサク「持ち歩いてんのそれ」
フルフィ「みなの分もあるぞ~」
ゴーストカード「盗み食いはよくありません……」
イリア「ひ、一口だけなら、大丈夫ですよね、本当にいい匂い……」
魔獅子は何も言わないが、腹の虫は誠実だ。
おいしい匂いの誘惑に負けて、みなにして “おいしい、アツアツ”と言いながら食べ始めて間もなく、一人の巨漢の怒鳴り声が響く。
巨漢「こら! 盗み食いめ!」
が、アサクと目が合う瞬間――
アサク「カーバン!」
カーバン「アサク!」
二人は古き友と久々再会した嬉しさに抱き合った。そしてゴーストカードと魔獅子にも。
カーバン「まさかまた精霊の守り神たちに会えるなんてな。会いたかったぞ!」
イリアも嬉しくてカーバンに抱きついた。
イリア「これ、カーバンさんが作った野原スープだったんですね!通りでおいしいわけですわ~」
アサク「無事でよかったよ~カーバン」
カーバン「俺先月に火族製錬師の修業を遂げるための素材集めをしに、精霊界から幻獣界に行ったんだ。帰ろうとしたら精霊界が丸々消えた感じでなぜか帰れなくて、連絡しようにも手段がないから、妖精界で何かわかるかもって思って。そんで今食いしん坊のお前らと会ったわけだ。な、精霊界に一体何があったんだ?」
アサク「……カーバン、落ち着いて聞いてくれ」
そしてことの顛末の説明を聞いたカーバンが、力が抜けたように座り込んで、またすぐ起き上がってアサクの胸元を強くつかむ。
カーバン「じゃあみんなは? 他の精霊たちは今どうなってる??」
アサクはカーバンの手が離すようにつかんで、俯いてゆっくり口を開く。
アサク「無事脱出した人がどれくらいいるかわからない。今のところ、俺たちが会えたのは、あなただけだ……」
カーバン「……くそ!」
悲憤に満ちたカーバンの拳は、一発で軽々しく森の木々を殴り折った。
ゴーストカード「カーバンさん、どうしたら妖精王国に入れるかわかりますか?」
カーバン「知ってる。でももう日が暮れた。妖精王国を覆う結界が夜になると無限ループの迷宮になる。王国へ続く道は昼でしか現れないから、日が昇るのを待つしかない」
イリア「本当に迷宮だったんですね。お兄さんが方向音痴だからとばかり思いました」
フルフィ「待つしかねえんだろ?明日のためにも今は腹ごしらえして休もう」
アサク「そうするしかないようだ」
魔獅子「みなさんは休憩を。夜番は自分に任せてください」
カーバン「そういえば、この白いキツネって誰だ?」
アサク「幻獣になった【光ノ槍】だよ」
カーバン「ええ~~、ちょっとアサク、お前、まだ何か隠してねえか?」
アサク「横になりな、ゆっくり話すよ」
神説年暦36722年 8月29日 木曜日 午前八時
朝、アサクとカーバンははっきりと目の下にくまがついてる。一晩中人魚国の出来事をしつこく聞いて、二人とも一睡もしなかったのだ。
ゴーストカード「お二人さん、一晩中ずっと話し込んでてうるさかったですぞ」
魔獅子「同意」
アサク「しつこく聞いてくるカーバンが悪いんだぞ」
カーバン「だってさ、まさかアサクが結婚するとはな、人魚国の国王にまで……それに、あんなのあんまりだよ……」
アサク(軽く肩を叩く)「丸一夜感傷に浸っててもういいだろ? はやく妖精の村に連れていってくれ」
荷物をまとめて、カーバンに続いて森に入り、しばらくして、一つの吊り橋に着いた。
カーバン「この先が妖精の村だ」
村に入ると、そこにはもうひどい光景になっている。
妖精界の東北方向、つまり時間図書館が位置する方には、険しい炎が燃え上がっていて、どうやら魔物が出てこれないように囲んでいるらしい。城下町あたりが戦闘の跡がみられるが、幸い損害が大きくないようだ。
村の妖精たちはみな疲れた様子で、その中に怪我人もいる。アサクをみると、すぐ慌てて知らせに人を出した。
村の妖精「早く女王陛下にお知らせを! 精霊界のアサク様が来てくださったぞ!」
一人若い妖精が駆けてきてアサクに話かける。
若い妖精「アサク様、待ってました! 早く王城にお越しください。女王陛下がお待ちです」
アサクたちが妖精王城に案内され、妖精女王・ルナミアに謁見することになった。
途中に見る正殿がひどく損傷であちこちボロボロになっていて、妖精女王もひどい怪我を負い、寝室に寝込んでいる。寝台のすぐそばまで案内されると、女王に付き添う侍女の一人が、カーバンに飛び込んで泣き出した。
カーバン「俺たちが来たからにはもう大丈夫だ、サナ、心配するな」
アサクとイリアはもう一人の侍女の傍に。
イリア「サヤお姉さん、大丈夫ですか。」
アサク「事情を説明してくれ」
サヤ「二ヶ月ほど前、時間図書館の中央ホールに見たことないコアが現れ、たくさんの魔物が出てきて……女王陛下がすぐ兵を向かわせたんだけど、翌日に急に強烈な震波が起きて、図書館一帯の景色が変わったし、そこにいたはずの人々もみなどこかに消えて……それからすごくでかい岩石巨獣が図書館の外壁に登り出ると、まるでそれが合図みたいに、魔物が外に拡散して周りを攻撃し始めたんです。村がもちろん、王城も免れなくて、最後に女王陛下が古代神器【火竜ノ斧】を異変の境界線に刺して炎ノ結界を張ってやっと、魔物を閉じ込めることができました」
サナ「境界線を越えた魔物を辛うじて退治したけど、それで女王陛下に怪我を負わせてしまいました……守り切れなかった私たちが悪いんです……私……」
そう言ってサナまた泣き出す。
アサク「今すぐ時間図書館に向かって魔物を消してくるよ。でもあなたたちはついてくるな。逆時震盪の影響を受けないのは精霊である俺たちだけだから」
その時、妖精女王が目を覚ました。侍女の二人はすぐ女王の傍にいって、起き上がるをの支えた。
ルナミア「精霊界での出来事はもう、夢を通してすべて知った。これは巨大なる陰謀である。敵が時間図書館を狙った理由は歴史を歪ませること。おそらく図書館で巻き戻された時間の記録は消えてしまったのだろう。どうかそこにある【真義宝典】を探し出して、わらわに届けてほしい。まだ修復できるやもしれぬ」
サヤが一つの水晶玉を取り出してイリアに渡した。
サヤ「この水晶は君たちがいるところの様子を映してくれます。これで【真義宝典】を探すのを手伝います。」
イリア「水晶でこんなことができるなんて、すごいですわ」
アサク「一刻も争う事態だ、出発しよう」
サナ「ご案内いたします」
神説年暦36722年 8月29日 木曜日 午後十二時
みなは【火竜ノ斧】を刺したところまできた。
サナ「一緒に入れないから、私はここまでです。どうかお気を付けて」
カーバンが【火竜ノ斧】に向かって言う。
カーバン「カイネ、お前まだやれるか?」
が、【火竜ノ斧】からなんの返答もない。
カーバン「どうやら炎の結界に集中してるらしい。邪魔しないでおこう」
アサク「でも、どうやって入るんだ?」
カーバン「俺は火の精霊だぞ、任せろ。 (両手を前に掲げて)陣防術・赤焔ノ壁」
カーバンがそう唱えると、火で構成された壁が結界の炎をかき分けて、時間図書館まで道が現れた。
【不帰ノ羅針盤】で測ってみると、なんと、1500年もの年月が巻き戻されたのだ。
アサク「1500年も? なんでそんなに昔にまで……とりあえず今は、中にあるコアを封印して魔物を消すのが先だ。いくぞ!」
火の道を通り、無事にホールまで着いたが、やはりそう簡単にはいかず、図書館の外壁にいた岩石巨獣が、魔物をつれてコアを守りにまた戻ってきた。
ふと気づくとイリアの隣が三尾猿になっている。
アサク「友達変えるの早すぎだろ」
イリア「ガガ鳥は火が苦手なんです。だから三尾猿に付き合ってもらうことにしましたの」
アサク「逆時震盪した空間に入って無事でいられるのは俺たち精霊だけなんだろ。なんで三尾猿を連れてこれたんだ?」
三尾猿がなぜかイリアと同じ淡いピンクの光を発している。
ゴーストカード「僕と魔獅子がこの空間に入れたのは、マスターとの主従関係でマスターの精霊の力で守られているからです。今三尾猿もイリアさんと主従関係になったから、同じように守られていますよ」
イリア(三尾猿を抱いて)「怖がらなくてもいいですよ。イリアお姉さんが守ってあげますわ。一緒に冒険しましょう」
アサク「あっそ。早いとこ用事を済ませようか。イリア、あなたはカーバンと水晶玉を持って【真義宝典】を探してくれ、戦闘中に壊れたりしたら大変だ」
カーバン「おう。イリアちゃんを俺が守る。任せろ」
そして魔獅子を召喚して魔装に変身させて防御を整えるが、ゴーストカードが【日輪ノ剣】に変身できない。
ゴーストカード「図書館の中では日の光が弱すぎて変身できません。このままフォローにまわります」
フルフィ「じゃ俺が!」
そういって【光ノ槍】に変身。槍を手に持つアサクは一振りして嬉しそうに言う。
アサク「この感覚、懐かしいぜ! 一緒に戦うのも久しぶりだな。星雲貫通銃!」
すぐ技を出して岩石巨獣と戦い始めた。
一方、イリアは水晶玉を通し、サヤの誘導を頼ってカーバンと一緒に【真義宝典】を探す。邪魔する魔物を、カーバンは図書館の土属性を利用して“陣防術・石屑爆撃”で打ちのめし、やっと宝典にたどり着けたが。なんと、コアの出現場所が、宝典の真上だ。
カーバン(叫び)「アサク! 宝典を見つけたぞ! コアもここだ!」
三尾猿が隙を見て宝典を取り出して、イリアに渡した。襲い掛かる魔物はカーバンが相手している。
岩石巨獣との戦いがどうもうまくいかない。防御が硬すぎて、傷一つまともに与えられないでいるアサク。
アサク「かたっ!これじゃ倒せそうにないぞ」
フルフィ(半泣き)「いたたた! 壊れる! 俺壊れちまうよ~~」
岩石巨獣の強力な一撃で、アサクとゴーストカードがぶっ飛ばされた。
魔獅子「マスター、申し訳ございません。もう…」
言い終わらないまま、魔獅子の変身が解けてしまい、地に転んで、傷だらけになっている。
アサク「倒せないなら策を変えよう。動けないようにして、先にコアを封印すれば、こいつも消えるだろ!」
フルフィ・ゴーストカード「どうやって??」
ゴーストカード「あっ! (フルフィをみる)光をください!」
フルフィ「! なるほど! その手があったか!!」
ゴーストカードが【光ノ槍】からの強い聖光を浴びて変身し、融合して【天斬のエクスカリバー】となった。【天斬のエクスカリバー】で岩石巨獣を射ぬいて壁に釘付けた。
魔獅子に乗ってコアのところに駆け付けて、【聖獄ノ籠】で封印すると、魔物が一斉に消えた。やっと一件落着と放心して、みんな力尽きで地に倒れた。
妖精王城に戻り、宝典を女王に渡すと、女王は妖精界の生き残った記録士を集めて、過去1500年分の歴史を再び宝典に書き込んだ。が、そこに一つ重大な矛盾を、女王は気づいて、すぐアサクたちを呼んだ。
ルナミア「この世のあらゆる命・物・出来事を記録している【真義宝典】は、間違いはないし、不足もあってはならない。だが……」
アサク「どうしましたか?」
ルナミア「……そなたに関する記述が、一切ないのだ。つまりはアサク、そなたがこの世に存在しないことになる!」
まるでこの言葉を合図のように一瞬周りの空間が歪みだして、それが消えた時には、人々の顔色が何やら違うように見えた。
サヤ「あなた誰ですか! 勝手に踏み入れるなど許されませんよ!」
サナ「侵入者がいます! はやく女王陛下をお守りください!」
ルナミア「この無礼者、わらわの寝室とわかっての所業か」
アサク(慌ててカーバンに)「俺のことわかる??」
カーバン「もちろん」
アサク「イリアは?」
イリア「大好きなお兄さんを忘れるわけありませんよ」
アサク(魔獅子・ゴーストカード・フルフィに)「あんたたちは??」
魔獅子「覚えてます」
ゴーストカード「覚えていますよ」
フルフィ「覚えてるぞ」
アサク「じゃあ、いったい何が……」
女王を守るべく妖精の禁衛軍が駆け付けて叫び出す。
妖精兵士「侵入者を捉えろ!」
カーバン(サナに向けて)「俺のことわかるかい?」
サナ「? カーバンさんでしょう? あなたとイリアちゃんがいてくれたおかげで、コアの魔物を退治できましたわ」
カーバン「どうなってる? そうじゃないんだ、こいつが俺の仲間のアサクだぞ??」
ゴーストカード「とりあえず逃げましょう、マスター」
奇妙な状況で仕方なくカーバンとイリアをその場に残して、魔獅子がアサク、ゴーストカードとフルフィを乗せて窓から寝室から逃げ出した。魔獅子の背に乗って逃亡するアサクは、複雑な気持ちで遠く眺める。
アサク「それじゃ俺は、誰だ?」
to be continued~
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祝所有的母親們,母親節快樂!
分享一篇由我很喜愛的中國騰訊體育明星記者,沈洋採訪了林書豪母親的訪問特稿。
由於兩岸閱讀習慣的不同,我將他轉成繁體。
在我剛結束前的Q&A中,有收到球迷朋友請我推薦一些優秀的華文體育類型的作者。
當然,台灣也有很多非常出色以及相當了解NBA運作的網路寫手跟作家,
不過真的要我推薦一位,我想到的始終是沈洋。
她是華文媒體第一位媒體工作者,由NBA賦予她NBA決賽MVP選票。
她就是第一人,目前在美國主流媒體中,華文媒體沒有任何人追的上她的腳步。
但這不是我推薦她的原因。
我永遠記得我認識她那天,是在2017年勇士的西區決賽某一個主場賽後。
我根本不知道她是誰,只覺得她看起來很兇。
在老舊的Oracle Arena不算寬敞的媒體工作區裡,她剛好坐在我的對面,
我們就這樣一直邊寫邊聊,寫到晚上12點,只剩我們兩個。
在聊天的過程中我發現她的不僅懂籃球,也擁有女性特有的細膩,觀察入微又帶著溫暖。
我當下就想說,我一定要偷偷去看她之前的寫作。
推薦給大家,她是我最喜歡的華文體育採訪稿作者,沒有之一。
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林瘋狂背後的“虎媽”:哈佛畢業後養了他兩年 不惜拿出養老保險
原文網址
https://tinyurl.com/y7hp4qmr
騰訊體育大人物
撰文/沈洋
編輯/王麗梅
“ 從前,母親習慣衝在林書豪前面當“衝鋒隊長”,後來選擇陪伴兒子一起追夢,再後來她學會站在原地,欣慰著目送他遠行。所謂母子一場,便是在時光中母親不斷抽離,恰當放手後隔空守望自己的孩子。這是母親節《不完美的她》系列策劃第一篇,林書豪與母親的故事。”
即便是現在,林書豪和母親吳信信之間也經常會聊天長談。
雖然他們現在分隔兩地,各忙各的,一個在北京刻苦訓練期待疫情過後正式回歸籃球場;另一個在台北,做義工教導小朋友們讀書。最近林媽媽的行程也很滿,從早忙到晚,正幫著她的新“孩子們”準備即將到來的月考。
母親無法再像當年那樣,開著自己那台老式福特汽車,隨時陪著兒子從小學,初中到高中,寒來暑往去一個又一個比賽訓練地打球,也沒辦法時常給林書豪做他最喜歡的蔥油餅、蟹黃酥。 二兒子自從踏上籃球職業道路之後,吳信信更不能再做當初那個永遠站在最前面,幫兒子和他所在的球隊張羅打點一切的“衝鋒隊長”。但母子的悄悄話時間,並沒有因為歲月累積和空間改變而有太多減少。
“我們常常都有聊很久的時候。”吳信信很是自豪地說。無論是她去北京看望兒子,還是兒子回來,和她一起去日月潭度過假期,又或者相約回到加州矽谷的家。母子之間,總有很多話要和對方說。
01. 一張空白支票
在吳信信眼裡,林書豪就是這樣一個非常貼心的兒子。
在NBA好不容易徹底站住腳跟後,林書豪也開始隨之擁有了穩定收入。但他從來不亂花錢。“他過得很節儉。除了吃他不會去計較錢以外,剩下的他都特別節省,存起來。然後就總想法子勸我,把我家的老房子拆了。”她說。
那是一樁並不大的老房子,是1992年由林繼明和吳信信兩夫妻購買的。雖然處在矽谷地帶,屬於極為優秀的學區,如今地價更是飆升至全美最為昂貴的地方之一。讓人有一提到出身矽谷,必是大門大戶,出身富裕的感覺。
但林家並不是這樣的。
雖然夫妻二人都是知識分子,一個做半導體工程師,一個做軟件工程師。但屬於初代移民的他們,並沒有殷實的家底。尤其是當三個孩子林書雅,林書豪和林書緯先後降生,手頭就更不算寬裕。能拿出的錢,多半用於滿足基本的飲食起居,以及孩子們的各項成長花銷。所以,一直以來他們都沒有能力去重整一下,那套已經有些老舊的房子。
林書豪總想著能把那棟老房子拆了重建,這樣一家人也可以住的更加舒服一點。後來,母親吳信信終於同意了他的建議。
“我也是很節省的人,但你知道蓋房子重新裝修有時候會超出預算,我的壓力就很大。但他總是跟我說,媽,我給你的是一張空白支票,你想買什麼就買什麼,想怎麼弄就怎麼弄,數字你隨便往上填,不要擔心錢的問題。我真覺得他做的很暖心。”吳信信回憶道。
閑暇時間,林書豪總會帶著母親嘗嘗各地美食
02. 倔強的“影子”
就像世界上大部分的母子關系一樣,盡管深深愛著彼此。但和風細雨並不是他們相處方式的全部。尤其是當這兩個人性格頗為相近,又都很倔強的時候。
“我們都很開朗,外向,愛關心別人,而且都特別有決心和毅力。”吳信信不知道是不是因為兩個人都是家裡排行老二的孩子,在三個兒子中,媽媽總能從林書豪身上看到很多自己的影子。 尤其是性格裡都有的那份遺傳下來的倔強因子,總會讓彼此產生很多意見分歧。
“你問任何一個問題,我們的回答都會是不一樣的。”吳信信告訴騰訊體育。
在林媽媽看來,這個兒子並不是家裡最聽話的那一個。
“如果你要問他,他肯定覺得他是最乖的。”吳信信接著說,“但了解我們家的人都知道,他絕對不是最聽話的那一個,當然也不是最不聽話的那一個。”
林媽媽解釋說,哥哥書雅絕對不會跟你頂撞,但有時也不會聽。弟弟書緯會頂撞, 並且常常不會聽話。書豪也會跟你吵,可是到最後,反而會按照媽媽說的去做。
吳信信舉了一個例子。小時候,媽媽要求林書豪放學回家之後,必須要先寫完作業才可以幹自己想做的事情。可是他偏要試探家長容忍度的邊界,看如果自己不這樣照做,會有什麼樣的後果。家教嚴明的吳信信當然不會允許兒子對於“權威”的挑戰,便會狠狠懲罰他。
得到了教訓,知道後果嚴重性之後,他就會乖乖聽話。“他總是為了反對而反對,就是要跟你擰著來。“林媽媽說, “每次都是這樣,他在一番試探之後,就會去按我說的做。所以結果往往是好的。但是雙方在交鋒中總是伴著爭吵,過程很痛苦就是了。” 吳信信笑著回憶起過往,那些當時可以點燃自己情緒的事,現在想起來都可以成為笑談。林媽媽再去審視兒子很多的行為動機,一部分將其歸列在性格的層面,另一部分只能理解為在家裡排行老二,位置不上不下,“所以可能只是想刷些存在感吧。”她樂著說。
只有一次,直到現在吳信信都沒辦法完全把它當笑話來講。“因為我當時差點氣暈過去。”
那是林書豪9年級時,他14歲左右。那個年紀的孩子,對所有家長來說,都最為頭疼。在英文單詞里, “teenager“(13-19歲的青少年)這個單詞,意味著孩子會因為走入青春期,突然開始叛逆起來。進入中年,壓力重重的父母需要繼續教導著一個以為自己已經長大,什麼都懂的皮孩子。
吳信信不記得當時是什麼原因,讓二人大吵起來。而一向很懂禮貌的林書豪卻突然對著她說起了髒話。
“在我家,是絕對不可以說髒話的。“ 吳信信說。林家是虔誠的基督徒,林媽媽平時在家里又對孩子們有著嚴格的行為舉止規範,她沒有想到林書豪不僅罵了臟話,還是對自己。兒子的行為讓母親大為光火。林媽媽將其視為林書豪從小到大,做的最離譜最叛逆,也最不像他會作出的事情。
那一天,林媽媽氣得喝令林書豪不能去參加球隊的訓練。她知道,這種懲罰對於林書豪來說是最為嚴厲的。很多家長總是感嘆拿自己的孩子無可奈何,似乎總是找不到“一招制敵”的方法。可在林媽媽這裡卻不用擔心。如果學習成績因為打球退步就不能打球,如果沒有遵守基本的行為規範,做了出格的事情,就不可以參加訓練。意識到兒子真正在意什麼之後,她總可以以此來幫助自己。
“記得那天我們有個很重要的訓練。我作為球隊家長負責人,要去主持家長會議。我告訴他,我照樣會去主持這個會議,但他不能去參加訓練,因為你做錯了事情。” 吳信信說。
美國學校籃球隊考勤制度很嚴格,競爭又非常激烈,一旦缺席訓練,那麼下一場的比賽就不能上場,很多孩子根本不敢缺席訓練,因為如果失去上場機會,就很有可能意味著你將長期坐在板凳上無球可打。
林媽媽當然知道這個道理,但她還是堅持自己的做法,不允許兒子訓練,留在家裡反思,直到認識到自己的錯誤為止。同時,她前往了會議,告訴教練和同隊的所有人,林書豪不能來是因為他做了不該做的事情。
在吳信信看來,教導和規範兒子的行為,比一場籃球比賽要重要的多。籃球的邊界並不僅僅是分出勝負,以及個人的輸贏,她希望可以借助籃球來幫助兒子成長,讓他意識到如何去做人和做事。
第二天,向母親承認錯誤的林書豪被允許來到球隊,但媽媽要求他必須要為自己缺席影響團隊訓練,而向每一個人鄭重道歉。
那之後,他就再也沒有重覆過相同的錯誤。
母子兩個,都是那種要強的性格。但毅力的磨練,品格最終的塑造,仍然要靠各自人生道路中的不同經歷。 吳信信作為初代移民,靠著知識,更靠著毅力才在美國掙得一片安穩的天地。而林書豪則因為籃球,因為他不被看好的膚色、背景,所選擇的這條道路,徹底練就了他不撞南墻不回頭的堅毅。
經歷的不同或許在事物發展最開始階段令人們產生意見分歧,可是相同性格和品質的人們,總會漸漸明白、理解和尊重對方的選擇。因為說到底,他們都是同一種人。
有太多次,無論是在大學期間,還是踏上坎坷的職業生涯,林媽媽都因為心疼兒子而說出,“實在不行,咱們就別打了吧”之類的話,可她心裡明白,執著的兒子會給她什麼樣的回答。
就是她們互相都懂的那份倔強和要強,讓林書豪在這條太難走通,並且還沒有誰真走通過的路上,一路跌跌撞撞地走了下來。
03.“虎媽”之柔
在沒有接觸林媽媽之前,單看很多報導,你會覺得她一直扮演了一個強悍母親的角色,但當採訪開始,電話那頭的聲音傳來,既親切又柔軟。她的開朗與平和在語氣和用詞中就能清晰感覺到,會模糊掉之前腦海中那些所有既定形象。
她的微信頭像是三個兒子站在一起頗有些搞笑的照片。哥哥書雅舉著傘站在中間,書豪背著書包站在傘外看向一邊,弟弟書緯則用一把沒打開的傘指著另外一邊。
據說,吳信信的郵箱地址是三個兒子英文名字首字母加英文單詞媽媽,吳信信選擇這樣去表達和代表自己。
從很多角度看,吳信信都是一個很特別的母親。
很多人把她當作是“虎媽”的典型代表。什麼是虎媽呢?一般長期生活在美國的華人媽媽,都會以對孩子嚴苛的行為管教,對未來成長幾乎是孤注一擲的全情投入,對學業成績幾乎苛刻的高度要求,對孩子接近完美的教育方式而著稱。
從很多層面上,她當然是虎媽。據說林媽媽要求兒子必須品學兼優,考試不得A不可以打球,必須拿下大學畢業證書才能去想靠籃球掙錢的事,她甚至會跑到曾經不選自己兒子的教練面前冷酷扔下一句,“當時就是你不選他的” 。有些或許是傳言,有些則是真實的故事。
比如,更小的時候,林書豪和哥哥書雅會和朋友打球,一打就打到午夜,媽媽就會一直陪著他們,之後帶大家去吃宵夜,然後再將他們帶回家。
後來,林書豪和弟弟林書緯做出要走職業籃球道路時,適逢金融風暴,不幸被裁員的媽媽竟決定拿出養老保險金,繼續供養孩子們的夢想。
“我跟他們說,如果你們要打職業,要去選秀,我可以養你們兩年,但兩年以後,你們要靠自己了。”吳信信淡然地說道。
其實當時林書豪也很疑惑,向來節儉的父母,怎麼突然拿出這樣一大筆錢,林書豪忍住沒問,林媽媽也並未說破,只叫他們專注自己的籃球道路,不必考慮其他。
事隔多年,要不是媽媽突然感嘆“那筆錢終於還回去了”,而說漏嘴,林書豪恐怕永遠都不會知道,當初自己的父母做出了多麼大的犧牲。
哈佛大學經濟學畢業後,還要靠家裡賣掉保險金去養,這在美國非亞裔家庭文化里,是不可能出現的事情,他們的孩子18歲以後便要開始自力更生。即便在很多亞裔家庭中,都不敢輕易做出這樣的決定。
一個華人孩子要到NBA靠打球掙錢,在誰看來,這個險冒得有點太大。
那時的林書豪去參加NBA選秀,因為是華裔不被看好,無奈落選。接著他一個又一個球隊試訓,或者在夏季聯賽里,搏命去掙得一份合同。可即便他得到一個合同,也可能隨時被下放或裁掉,有可能在聖誕節頭一天,被通知收拾行李回家,有可能一個10天合同,在它還不到10天時,就已經沒有了意義。
旁人看來,供養兒子打NBA,回報率實在有些低。可是吳信信和林繼明還是義無反顧拿出一生辛苦攢下的“養老錢”。
“我當時根本沒想那麼多,錢沒有了總可以再賺。可孩子們能打球的年紀就那麼幾年,不把握住,就沒有了。在我看來,這根本就是不用過多考慮的事情。”林媽媽說這句話時,很是淡然。
她甚至不喜歡兒子總是在人前人後提起這件事。每次林書豪一提,林媽媽就嗔怪地說,幹嘛總是提這件事。她明白兒子內心的震撼和沖擊,可從母親的角度,這是一個不用去過多言語,不用去考慮後果,必須要做的選擇。
“兒子們都很爭氣,根本就不到兩年,他們就都自己養活自己了。”吳信信驕傲地說。
吳信信記不清有多少次,她同是華人媽媽的朋友告訴她,自己這樣“縱容”孩子們打球是浪費時間和金錢。她們總是吃驚於,她堅持支持孩子們打籃球的理由。耳邊總有聲音告訴她,這是一條根本走不通的死胡同。
在美國華人家庭裡,學業永遠排在第一位,一切都要給學業讓步。然後就是要掌握一門高雅音樂的樂器,家家戶戶幾乎一台鋼琴,不然就要去學其它的藝術門類,畫畫或者聲樂。體育是最不被重視的部分。在學校各種運動隊裡,你很少看到在美國原生華人孩子的身影。原因有很多:
第一, 家裡很少有對體育項目的興趣培養。
第二, 華人的身體普遍不存在優勢。
第三, 他們根本得不到家長真正實質意義上的支持。
華人家長們很多都會將體育運動和玩樂聯系在一起。好像是,從事體育項目對眼前大學的申請和未來成功的人生毫無關系。
吳信信不是沒有過疑惑,甚至在林書豪的回憶中,小時候媽媽跟他說的最多的一句話是,“不能靠籃球吃飯。”
雖然林媽媽對於籃球是不是出路並不確信,但有一點她很篤定。那就是兒子們對於籃球的熱愛。那是爸爸林繼明在他們心中播下的種子,是真正可以讓兒子們開心快樂的選擇。
“每個人都有他自己存在的意義。有一句話說,男怕入錯行,女怕嫁錯郎。在我看來,從事了自己不喜歡的職業才是入錯了行。”吳信信相信衡量成功人生的含義,是你真正是否去從事了一份你喜歡的職業。“聖經有一句話對我影響很深,就是說兒女是耶和華的產業,他們不是我的財產,我是替神來管這三個孩子。”她覺得讓他們做出想做的選擇,並且盡可能幫助他們去實現,才是父母應該做的事情。
所以,當林書豪回憶小時候媽媽最常說的話是“不能靠籃球吃飯”時,她總是提醒兒子說,“才不對呢,別忘記我說的最多的一句話是,要謙卑,然後就是盡你所能。”
這兩個人總有完全不同的答案。
現在,很多華人家長會去問吳信信,孩子應該從事什麼體育項目,才可以更容易上哈佛或其他常青藤名校。林書豪的故事已經為很多華人孩子趟出一條新路。可當初是一家人靠著不被外人理解的堅持和勇氣,以及對於成功人生不同的看法,才將這條路從不可能,變成了可能。
整個勵志故事裡最為可貴的,恰恰是這份成功,從來不能輕易被複製粘貼。
04. “我的兒子,終於被別人看到了”
母親吳信信永遠忘不了那一天,2012年的2月4日。尼克斯對陣籃網。
她跟哥哥書雅、爸爸林繼明就在比賽現場。林媽媽明白,那是他有可能在尼克斯的最後一場比賽。如果如之前一般,那麼他就要在第二天再次收拾行李離開,然後又要開始到處漂泊試訓,借住在誰家的沙發上,繼續過無法安定下來的日子。他們的內心其實做好了再一次失望的準備。
可是這一回,上帝給了林書豪,也給了他們全家一個機會,最為關鍵的是他也抓住了或許這一生只有一次會出現的機會。之後,便有了徹底改變他人生軌跡的“林瘋狂”故事。
當這一切開始發生時,穩重的哥哥書雅高興地跳了起來。吳信信用顫抖著的手,給林書豪的經紀人发去一行字,“Praise to our Lord! This is my Boy!”那一場賽後,林書豪在洗澡間裡痛哭,從更衣室出來,林家人緊緊抱在了一起。
“那一場比賽對我來說是最有意義的比賽。好像是在告訴別人,這是我的兒子。他終於被人看到了。”吳信信如今再回憶起那一天,仍然無法做到徹底的平靜。8年過去,那一個夜晚的一切都還歷歷在目。
熱情的球迷為林書豪而瘋狂
在整個林書豪的籃球生涯裡,無論是之前在學校還是後來進入了職業。命運總是在跟他開一些玩笑。讓這個熱愛籃球的少年,總是需要背負更多的東西,付出更多的代價,才能去親近自己的夢想。
愛是一種奇怪的情感,它往往不是選項且無法控制。籃球這個運動對於林書豪來說,就是愛,就是命中注定一般。但這一路上籃球所給予他的感受和情緒卻很覆雜,有喜悅,樂趣與自我認同,但也有苦澀、失望、等待、無奈和迷茫。
在吳信信看來,是因為籃球,讓這個孩子接觸到了人生的本質,體會到了很多其中的道理。十幾歲時他學會了控制自己的情緒,平衡自己的時間,懂得如何從自信和驕傲中學會謙卑。二十幾歲時,他懂得了無論如何都要堅持下去,有了永不回頭的決心和毅力,懂得什麼才是人生中最重要的追尋。
那樣一個夜晚,外人眼裡看到了神奇的力量,好像林書豪突然穿上了超人斗篷。可是在母親吳信信眼裡,這是過去所有歲月裡,兒子所學到的關於籃球,關於人生,所有靠堅持所累積起的集中釋放和爆發。
2012年NBA掀起的“林瘋狂”旋風
05.“他開心,我便安心”
時光倒回27年前的一天,吳信信從幼兒園接二兒子回家,坐在車上的還有他的兩個好朋友。其中一個小夥伴直接告訴林書豪,不準備邀請他參加自己的生日聚會,原因是這個孩子只能請兩個小朋友,而書豪不是其中之一。坐在車子駕駛位上的吳信信聽到這樣的話,很是驚訝,她生怕身後的兒子因為這些話而受到傷害。
可令吳信信驚訝的是,只有五歲的林書豪並沒有把這些傷人的話放在心上,反而對這個小夥伴說,“沒有關係,等到我生日的時候,請你們來。”
從那個時候開始,林媽媽就意識到,自己兒子的心比她想像的還要溫暖。“他這麼小,就有一顆寬大的胸懷,知道怎麼去愛別人和關心別人。”正是因為這個兒子給她巨大的觸動,吳信信在那年林書豪過生日時,為兒子舉辦了一個大型的生日聚會。讓他將所有的朋友全都邀請到了家裡。
自那以後,林媽媽從來都沒有懷疑過,兒子從五歲時就擁有的關愛別人的心。多年過去,他沒有因為這世間的很多不公平,而漸漸失去溫暖別人的能力。反而更加明白,能力越大,責任越大的道理。他帶著對於自己身份越來越多的自信和認同,披荊斬棘,不平則鳴,為同族裔的人們發聲。不僅如此,他的心裡還裝著更大的世界,裝著這個世界裡那些遭受各種不幸的人。
這些都讓吳信信感受到兒子那顆金子般的心和溫暖的靈魂。都可以讓她在書豪的身後為其喝彩和鼓掌。
可是,林媽媽更想知道,兒子可以將全世界都裝進心裡的時候,他又將如何看待和善待自己。
所以現在,她才總是想告訴林書豪,“要謙卑,盡自己所能,然後其餘的交給上帝。”
30多歲的人們,總是會比年少的自己,更加懂得人生的本來意義和真實面目。它不總是五光十色的泡泡,不總是那些戰鬥的口號以及光榮和夢想,它也是接受,也是面對,也是承認,承認當上帝就是不給你開那扇窗戶時,你如何強求也等不到它打開的那一天。並且相信上帝不打開這扇窗,一定是為你留了一扇敞開的大門。
至今為止,林書豪所作的一切決定中,最讓林媽媽感到驕傲的不是選擇籃球,不是做出走上職業的道路,不是每一次跌倒了再站起來。而是去年夏天,在台北做的那一次叫做《等待的藝術》的演講,那時林書豪潸然淚下,告訴別人自己掉進了深淵,將自己的擔憂和恐懼向外人道來。
吳信信說,她事前完全不知道自己的兒子到底會做怎樣的表達。在他職業生涯早期,媽媽和團隊會瀏覽他的演講稿,參與進一些意見。可最近幾年,都是林書豪自己拿主意。她也是在那個演講之後,才知道兒子在眾人面前所表現出來的那份隱藏很久的情緒。
“我還挺意外的,算是嚇了一跳,但卻真的為他驕傲。”吳信信覺得現在的兒子能夠有勇氣將自己的心底話說出來,將自己的不安和焦慮告訴別人,其實是他終於可以勇敢去接受那個最真實的自己,正面去擁抱他所有的情緒。那才是吳信信想要看到的,兒子對於他自己真正的接受和關愛。
“當時我就在想,孩子真的長大了。“吳信信的語氣中透著滿足和欣慰。
“對於我來說,希望兒子所能夠度過的人生就是平安喜樂,滿足於現在的所有。“她說,“我現在最常問他的問題是,你開心嗎?你確定這樣做,你是開心的嗎?“
只要兒子說,他是開心的。對於母親吳信信來說,就已經可以安心了。
平安、喜樂,是曾經掛在林書豪布魯克林所住地方墻壁上裝飾物的兩個單詞,也是作為母親吳信信最大的心願。能夠幫助他得到這樣的人生,就是作為母親能夠給兒子最好的傳承和禮物。
從前,吳信信會坐在那台福特車上的前排駕駛位帶著兒子一路前行;後來,她會選擇堅定的坐在他身邊陪伴和堅守著他的夢想;再後來,她開始遠遠的站在身後,欣慰的看著這個已經長大的兒子。
現在,她要去幫助更多的小朋友。識字、懂事、明理、然後走上他們的人生。
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你可以在IG上找到她,但記得不要騷擾人家。
https://www.instagram.com/lisahsu0914/
畢竟廣義上來說,她算是我們台灣的媳婦喔,算半個台灣人。
圖片是我自己照自己配的,跟原作無關。