ASAKU® X Dragon Life
Part.1
この本の全13章。
アサク伝X真龍の魂
原作: 劉明昆
訳者:ZiON
あらすじ
神説年暦36772年
『神説大陸』の地表にある『人間界』『妖精界』『幻獣界』に、緑色の『鏡返ノ核』が出現し始める。毎回の出現場所が不定、中から核を守るための小さな魔物が同時に現れる。出現して24時間後赤色に変化し、半径一キロあたりにて『逆時震盪』でエネルギーを放つ。その力によって時間が過去へN年分に巻き戻し、そしてより強い魔物と、核を守護する『鏡返核獣(ミラーコア獣)』が召喚される。一つの『鏡返ノ核』に一回しか『逆時震盪』が発動しない、が、コアが出現するだけで周囲にいる動物や魔物の狂暴化を引き起こす。
『鏡返ノ核』の出現頻度が約3~7日、現在、コアを破壊する方法が見つかっていない。
『逆時震盪』が発生すれば、半径一キロの範囲内で過去へN年分のタイムリープが起こり、有機物でも無機物でも時間がN年分巻き戻される影響を受ける。例をあげるとつまり、「その場にいる人間はそのN年分若返る」という、実際の存在時間がNより少ない場合は、存在ごと消えることになるが、その範囲から出ると元通りに戻る。単なる時間の巻き戻しではなく、コアを守る魔物も多く出現するのと、そのN年前に存在していた者も一緒に現れるが、魂の持たない攻撃的なゾンビになってしまう。それでも、亡くなった人に会いたい人にとってはどうしても、期待を持ってしまうことでしょう。
魔物による破壊と、どれくらいの時間が巻き戻されるかは予測不能なため、誰も予兆が出る時に影響範囲内にとどまらない。『逆時震盪』が起きれば、逃げるしかない。
神説大陸に存在する種族の中で唯一、『逆時震盪』に影響されないのは精霊族だ。そして、『鏡返ノ核』は精霊界にだけ出現しないと言われている。理由こそ不明だが、『逆時震盪』に影響されない絶対的な防御力を持つ精霊でも、コアを破壊する能力がなく、魔物の出現を阻止するのには封印しか手段がない。
精霊聖王の命令により、『精霊界』光族の封印士・アサクとその仲間たちは、『鏡返ノ核』の出現場所を予測し、『逆時震盪』を測れる【不帰ノ羅針盤】を手に、“『逆時震盪』による危害と大量に出現する魔物の原因・『鏡返ノ核』を封印すべく”と、世界へと旅立つ。
第一章:封印士アサク(Action Chapter)
神説年暦36722年 8月12日 月曜日 午後三時
人間界の『フィル王城』の西南方向にある小さな村『エデンの村』では、『鏡返ノ核』の出現によって、村人たちを撤退させるべく、フィル王城から発遣された軍隊が、人々を守るため魔物と戦う。コアが赤色に変化し始め、残り時間30分あたりで、『逆時震盪』による大量の魔物に備えるため、軍隊が戦線を下げて村の外に包囲網を張ろうとしたその時、布陣の手前に急に『折畳ノ廻廊』が現れ、中から青い服に白マント、【聖印短劍】を持つ魔法使いらしき若い男と、その隣にピエロのようなぬいぐるみと、羽をもつ獅子、そしてかわいらしい女の子が一緒に出てきて、そのまま村へ向かっていく。慌てて止めようとする兵士に、男がこういう。
アサク「俺は精霊聖王のご命令により『鏡返ノ核』を封印すべくここにきた精霊光族の封印士、名はアサクだ。あんたたちみたいな役に立たない小物は早くどっかに逃げるんだな」
兵士 「な、この無礼もの!」
となりに立っている女の子がアサクにストレートを一発かまして、礼儀正しくこう言った。
イリヤ「精霊土族の猛獣使い・イリヤと申します。兄のご無礼をお詫びいたします。こちらの軍隊をお率いになっている将軍様はどなたでしょうか」
この時、将軍らしき男が布陣から出てきて、礼儀正しく挨拶をする。
スタール「精霊界からのお力添え、感謝いたします。俺はフィル王国軍団団長・スタールと申します。どうかコアを封印し、危害をお治めくださいませ」
イリヤ「村にはもう全員撤退しましたでしょうか」
スタール「ええ、全員撤退させました」
アサク「よし、なら安心して暴れるんだな!」
そう言って、ピエロのようなぬいぐるみと羽をもつ魔獅子を連れて村へ駆け込んで、魔物を戦うためにコアへと前進する。
イリヤ「イリアは魔獣の狂暴化について調査するために来ましたの。コアの影響で普段おとなしいものでもとても攻撃的になってしまいますので、どうかお気を付けてください」
イリヤはスタール団長へ一礼してからアサクに続けて村へと入った。
大量の魔物が襲い掛かる。アサクは【聖印短劍】で迎え撃つ。【聖印短劍】に切られた魔物はすべて封印術によって身動きを取れず、そしてその属性の力を短剣の中へ吸い込んで蓄えることができる。ほかの物に触れても同じ効果で、例えば石なら土属性の力を吸い込むことができる。
アサクが魔法を発動するのには、左手に正三星陣、右手に逆三星陣を放ち、吸収した属性の力を手の魔法陣に付与すれば、陣魔法で攻撃できる。敵が複数の場合は逆三星陣で拡散式の魔法を、一点攻撃する場合は正三星陣で集中式の魔法を発する。だが陣魔法の威力は、吸収した属性の力強さで決められる。
イリヤは【愛のムチ】で戦う。このムチに叩かれると、悪の魔獣は浄化され、正常の魔獣ならおとなしくなって攻撃してこなくなる、イリヤの友達になって一緒に戦ってくれることも。
コアに近づければ近づくほど敵が強くなり、アサクが一気にコア近づけることを決めて、【聖印短劍】をしめて、ピエロのようなぬいぐるみへ叫ぶ。
アサク「来い、ゴーストカード! 【日輪ノ剣】へ幻化してくれ!」
ピエロのぬいぐるみが【日輪ノ剣】へと変身し、剣身から太陽のような輝きを放つ。アサクがこの神剣を振りかざし魔物を迎え撃つが、日の光に当たらないところに入ってしまう途端に、剣の輝きが弱まり、力を失っていく。この時に剣からゴーストカードの声が発した。
ゴーストカード「だめです! 光のないところだと【日輪ノ剣】は力を失ってしまいます! もうすぐ日が落ちます。早く片付けないと!」
アサク「わかってる! すぐ片付けるよ」
アサクが魔獅子の背に飛び乗り、コアへ駆け込む。もうすぐ赤くなるコアを前にして、突然、どこか赤子の鳴き声が聞こえた。声を辿ってみると、コアのすぐ近くにある民家の隅っこに隠れている、赤子を抱えている若い女を見つける。
アサク「やばっ! 間に合わない!」
そう言って、アサクが若い女を、イリヤが赤子を抱き上げて、すぐ村の外へ出ようとしたが、時はすでに遅く、『逆時震盪』が起きてしまった!
強烈な震動波が拡散し、周りの景色も変化し始めて、女は塵となり消えていく。なのにまぜか、イリヤが抱えている赤子はなんの変化も起きなかった。驚きながらもイリヤは悲しく叫ぶ。
イリヤ「みな離れたって言ったのに! なんで!」
アサクが懐に入れてある【不帰ノ羅針盤】をみて、巻き戻された時間はちょうど80年。ゴーストカードがアサクに先にコアを処理しないと危害が広がると進言した。イリヤに赤子を守って村から離れるように指示するが、なぜか赤子が起きてからアサクにすっかりなついて、抱いてもらわないとすぐ泣き出す。仕方なく赤子をおんぶしてコアの封印に手掛けるアサクは、イリヤにお父さんって揶揄された。
アサク「あーもう、うるさい!」
赤子がその怒鳴りで泣き出してしまい、二人が同時に人差し指を口の前にかざして「しー」って言ったらまた静かになった。
アサク「コアを守護する魔王が出てきたな、とどめをさしいこう。さっさと任務を終わらせて帰ろうぜ」
このコアの守護魔王が巨大な食人花で、毒をもつ粘液とつるで攻撃してくる。アサクは行風術を使って攻撃をかわしながら飛んでくるつるを切るが、なかなか近づけてとどめをさせないでいる。
奇妙なことに、赤子は戦いの真っ最中でもまったく暴れず泣かずに、すごく静かだった。
イリヤがさき手懐けた短足イノシシを乗って攻撃を試みるが、魔王が強すぎて逃げ回ることしかできない。
この時にもう日が落ちてすっかり夜になってしまった。
ゴーストカード「やばい! もう日の光が――」
そう叫んですぐ【日輪ノ剣】からもとのぬいぐるみの姿に戻ってしまった。アサクはやむを得ずに【聖印短劍】で迎撃する。
アサク「くそ! 【聖印短劍】じゃ効果がない。吸収した属性の力が弱すぎる、もっと大きな炎じゃないとこいつを燃やせない!」
そして魔獅子に向かって叫ぶ。
アサク「俺に炎の攻撃を三回してくれ!」
魔獅子は宙返りして距離を取り、アサクに向かって、口から巨大なファイヤーボールを吐き出す。
アサクは左手を高く上げて手のひらをかざし、正三角形の魔法陣が魔獅子が放たれたファイヤーボールを吸収した。高いところへ跳んで、すぐ食人花の口の前に駆け込み、左手が拳に握って後ろに引き力を蓄えると、三つのファイヤーボールが一つに集中!
そして手を前にかざし、拳を開けて魔法を放つ。
アサク「正三星陣魔法! 火炎竜巻!!」
猛烈な火炎が食人花を燃やし尽くした。アサクはすぐコアの前に行き、透明な水晶で作られた箱【聖獄ノ籠水晶】を持ち出して、表面に刻み込まれている呪文で封印術を発動する。封印を行う間は魔獣がまた襲い掛かるが、魔獅子が守ってくれたおかげでみな無事だった。
眩しい光が放たれ、結界が築かれた。コアを無事封印したが、周りの景色はもうもとには戻れない、80年前のままだった。
助かった赤子を村人に渡そうとしたが、みな”あいつは悪魔の子だ”と騒ぎだして、誰も引き取ろうとしない。それは、赤子の母親が倫理を反して、父親が誰なのかを明かさずにその子を産んだからだ。赤子はなぜかアサクから離れようとしないし、仕方なく連れて行くことにしたふたり。イリヤは手懐けた短足イノシシとお別れをしてから、【折畳ノ廻廊】を起動し、二人は精霊界へ戻った。
第二章:防ぎきれないこと
神説年暦36722年 8月13日 火曜日 午前十一時
精霊王城の会議室にて会談が行われている。参加するのは精霊聖王・オデロス、オーカ将軍、ハプ司祭、精霊の姫君・ジェフロ、アサク、イリヤ、そして人間界から連れてきた赤子だった。
アサクは片足で跪いて、精霊聖王・オデロスにエデンの村でのできことを報告し、その傍らにイリヤがゆりかごに眠っている赤子をみている。
アサク「ことは以上です。聖王様」
精霊聖王・オデロスがアサクに表を上げようといい、となりのオーカ将軍に見解を求める。すると、オーカ将軍の顔がすこし赤いのを気づき、叱るように言う。
オデロス「そなたたちまさか、昼間から酒を飲んだではあるまいな」
オーカ「そ、それはその、ハプ司祭が造った酒が良すぎて、目覚ましにちょうどいいからで……」
ハプ「オーカ、おぬし……せっかくよい酒を取っておいてやったのに」
聖王オデロスがお怒りの様子で少し咳払いをしたら、周りがしんとなってしまった。それから手を一振りして、ハプ司祭がすぐ注いておいた盃を聖王に渡す。一気に飲み干してまことにうまい!と言ってからまた真顔でアサクに続けようと合図をした。
ジェフロ(不機嫌)「父上までおふざけして!まだ公務が残っているのでは」
オデロス「大事ないよ、精霊界がいつものように平和でのんびりだ」
ジェフロ(手を腰にあてて、呆れる)「もう、少しは危機意識を持たないと!」
アサクが頭を掻いてから、片手を顔に覆いて呆れていう。
アサク(独り言みたいな)「この老いぼれたち、本当に『鏡返ノ核』のことを気にしているのか」
オーカ「我々精霊界はそもそも外界のことを干渉してはならん決まりだが、大賢者聖竜王様が、『逆時震盪』が精霊しか対抗できないからと天神界の神託だといい、聖王様にエデンの村のコアを処理するよう、おまえを指名してな」
アサク「またあの陰謀家の聖竜王?やつの言いなりにならなくだって」
オデロス「天神界のお達しだ、仕方ない」
アサク「くそ……」
このとき、ハプ司祭は赤子に近づき、よく観察する。
ハプ「ふむ、この人間の赤子、『逆時震盪』の影響を受けないとは、確かに不思議だ」
同時にイリアが赤子を包み込んでいる毛布を開けてみると、毛布に<ADAM(アダム)>が書いてあて、赤子の背中に、虹紋章のバースマークがみえた。それに驚いたか、聖王がすぐ近寄って赤子の背中を確認し、オーカ将軍も続いた。
オデロス(文字ごとはっきりと)「なんと……虹、聖者」
オーカ「ではこの赤子こそが新たな虹聖者か、名は……アダム」
ハプ「アサクがエデンの村へ出向くのも奴らの計画通りってわけか。一本取られたわい」
アサク「で、どうすればいいですか。この子ずっと俺にべったりで、起きて俺に抱っこされてないと気づくとすげー泣きわめくんですよ。いっとくけどベビーシスタはいやだからな」
オーカ「待った! アサク、前の二つのコアの出現場所、覚えてるか?」
アサク「一つは妖精界の『時間図書館』で、もう一つが人間界・フィル王国東南部の『フジルス砂漠』です。二箇所ともすでに『逆時震盪』が起きてしまったから、聖王様のご命令とおりに、まだ震盪が起きてないエデンの村へいきました。時間的にいけたはずだったけど、この子を助けたため結局封印が間に合いませんでしたが」
ハプ「人間界に出現した二つのコアとも、フィル王国の近くか、どうも匂うなぁ…」
オデロス「いかん! オーカ将軍、すぐ禁衛軍を集結し戦闘態勢に入りたまえ!」
聖王の指示で、オーカ将軍がすぐ会議室から飛び出し、警報を鳴らす。
アサク「どういうことですか??」
ジェフロ「早く赤子を守って」
イリアすぐまだ眠っているアダムを胸に抱きしめた。
ハプ「これは、とんだ企みだ! 『逆時震盪』を利用し、『時間図書館』で偽りの歴史を作り、『フジルス砂漠』にて過去に存在した『ミラージュレーク』を呼び戻した。そしてこの子はやつの手駒…震盪の影響をうけないとわかっててあそこに置いた。おぬしがこの子を連れて【折畳ノ廻廊】で精霊界に戻ることで、震盪の痕跡が残り、もともとコアが侵入不可能の精霊界に隙間が生じてしまったのだ」
まさにその時、急にとどろきのような音が響いて、精霊王城が地震でも起きたように揺らいだ。
ハプ「この子が起きて騒ぎだしたら見つかってしまう。わしが深い眠りにつくように術をかけとくよ。イリア、アダムは任せたぞ。アサクは早く敵襲に対応しろ!」
イリア「了解いたしました。ちゃんと守って見せます」
アサク「そこまで深刻ですか! すぐ向かいます! ゴーストカード、魔獅子、ついてこい!」
二人の従士を召喚して、三人はすぐ音がした場所へ急いだ。着いた時には精霊王城正殿の真上に時空の裂け目ぽっかり空いてしまい、すでに大量の魔物が湧き出している!手前にオーカ将軍が禁衛軍を率いて応戦してるところだった。
アサク「なんてことだ!」
アサクはすぐゴーストカードに【日輪ノ剣】に変身させ、魔獅子とともに戦いに加わった。聖王オデロスもジェフロを連れて正殿に到着。二人の周りには禁衛軍が守りを固めている。同時に、九尾妖狐が時空の裂け目から正殿へと降りってくる。
九尾妖狐「あらまあ…ふふ、美しきあたしをこんなにも大勢で出迎えてくれたのかい、うれしいねぇ、さあ、情熱的な歓声をあげなさい」
アサク「この変態野郎!」
その時、全域空間防御を担う精霊兵士より報告が届いた。
精霊兵士「報告! 聖王様、精霊聖地にて『鏡返ノ核』が出現!」
聖王オデロスがすぐ聖地を守るようにオーカ将軍に指示し、正殿の魔物が聖地に行けないようにと一部の禁衛軍兵士を残し、後をアサクに任せて、その場を立とうとしたが……
ジェフロ「わたくしは残ってアサクに協力するわ!」
オデロス「だめだ! すぐオーカ将軍に続いて聖地へ向かいたまえ」
聖王オデロスがオーカ将軍、ジェフロとイリアを率いて正殿後方にある廊下を通り、精霊聖地へ向かう。
正殿に現れた魔物たちがアサクと近衛軍に着々と退治されていくが、なぜか九尾妖狐がまるで見世物を見ているようにびくとも動かないまま、やがて魔物が彼だけとなった。
九尾妖狐(高笑いして)「スポットライトはあたしだけを照らすものよ。どう? スーパースターみたく輝いているでしょ」
そう言って突然と手を上げ、強い衝撃波を放つ。
精霊禁衛軍を守ろうと、アサクはすぐみなを庇うように最前列に出て、全身から聖光を放ち、【獅幻神裝】を纏って九尾妖狐の攻撃を受け流した。
左従者のゴーストカードが変身した【日輪ノ剣】を手にかまい、右従者の魔獅子が変身した【獅幻神裝】を纏った姿こそ、アサクの完全なる武装なのだ。
アサク(禁衛軍に向かって)「おんたたちはもう聖地に向かってくれ、ここは俺に任せろ!」
禁衛軍兵士「了解しました!」
返事した禁衛軍の兵士たちはすぐさま聖地へと駆け付ける。
九尾妖狐「あたしは、鏡界から降臨した陰魔六将軍、名は九尾妖狐。親しくして~“九ちゃん”って呼んでもいいのよ。さすが天神界の力を得た者ね、アサク。神と精霊の融合体か、本~当、反則よね」
アサク「なんなんだおんたは! 九ちゃんとか、誰が呼ぶか! あいにくこっちは遊んでる暇ないんだな、今片付けてやる!」
九尾妖狐「さて、君ごときで、このあたしに勝てるかしら?うふふ……」
笑い声を発したと思えば、もうアサクの目の前に瞬間移動して、攻撃をかまってきた!
九尾妖狐の攻撃が思ったよりも重く、全身武装した状態のアサクでも、【日輪ノ剣】で攻撃を受け流しながら陣魔法で魔法攻撃を吸収して反撃をするが、どうも苦戦に陥ってしまう。幸い、【獅幻神裝】の防御でなんとか保つことができた。
素早く動きながら攻撃してくる九尾妖狐は余裕ありげに笑いかけてくる。
九尾妖狐「はははっ、神と融合したせいで、もともと持ってた精霊の力を失って、元素魔法が使えなくなったのね。それで受けたものを吸収して反撃に使うしかなくなったわけか。なるほど、これはこれは、神様って意地悪いねー、はははは」
アサク「なんでそこまで俺に詳しいんだよ!?」
九尾妖狐「それは~愛してるから♥だよ(ウィンク)」
アサク「気持ち悪っ!」
九本の尾が一斉に伸び、九尾妖狐がセクターなポーズを取ってこう言った。
九尾妖狐「さあ、あたしのすべての愛を乗せる、最強の一撃をうけてごらんなさい♥」
先と比べものにならないほどの莫大な魔力が九尾妖狐の体に集中していると感じたアサクは、この一撃で勝負がきまるとわかった。
アサク(テレパシーでゴーストカードと魔獅子に)「あれを使うしかない」
ゴーストカード(テレパシー)「マスター、本当に使いますか? まだ完全に使いこなせてないのに、発動した後力が抜けて、いつ回復できるか分からないのですよ!」
魔獅子(テレパシー)「でも確かにそうするしかなさそうです。自分ももう攻撃を受けきれません。まずはやつ倒すことを考えましょう。そのあとは自分たちがマスターを守ります」
心で会話をかわす僅かな間に、九尾妖狐はもう力を整えて、技をぶつけてくる!
九尾妖狐「九重狐撃・滅骸破!!」
まさに同時に、アサクは宙返りして背中から天使と精霊の翼が生えてきて、【七属性ノ鍵】がアサクを中心に飛び回り聖光を放ちながら、七本の巨剣となる。
アサク「俺にはまだ神の力がある! 七鍵衝殺陣!!」
互いの大技が宙にぶつけ合い、九尾妖狐が避けきれずに重傷を負い、間一髪で時空の裂け目を通って鏡界へ逃げ帰って、あまりの強力で精霊王城もほとんど壊滅してしまった。
ゴーストカードと魔獅子が変身を解いてもとの姿に戻り、アサクも技の影響で全身の力が抜けてしまって、意識はちゃんとしてるが、もうまったく動けない状態だ。魔獅子はアサクを背負ってゴーストカードとともに精霊聖地へ向かう。
これで、数万年以来一度も侵入を許したことがないと誇る精霊界も、正式に破られてしまったのだ。
精霊聖地に着くとそこに『鏡返ノ核』が中央の祭壇に現れていて、聖王オデロスが部下たちを率いて湧き出している魔物たちと戦っている姿がみえたが、すでに力が残されていないアサクには何もできない。
アサク「どうしてハプ司祭が、早くコアを封印しないんだ?」
第三章:永凍絶界
神説年暦36722年 8月13日 火曜日 午後二時
精霊界で最も重要な場所『精霊聖地』に、『鏡返ノ核』が出現、ハプ司祭がコアの近くにいながら、魔物ばかりかまっていてコアを封印しようとしない様子。
魔獅子がアサクをハプ司祭のとなりまで連れいった。
アサク(虚弱)「どうしてすぐコアを封印しないんですか。【聖獄ノ籠水晶】をくれたのはあなたなのに……」
ハプ司祭「【聖獄ノ籠水晶】は聖竜王が天神界から持ってきたもの、おぬししか使えないといいおった。だから、コアを封印する任務をおぬしに与えたのだよ」
アサク(虚弱)「そんな……俺はもう、【聖獄ノ籠水晶】を発動する力も残されてない。まさか『逆時震盪』で精霊聖地が破壊されるのをただ見るしかできないというんですか」
ハプ司祭「とにかく休んで、少しでも回復に努めるのじゃ」
この時、イリアが泣きながらこちらに走ってきた。
イリア「うう……黒マントの男にアダムを奪い去らわれてしまいました。イリアでは全然太刀打ちできなかったの。ごめんなさい、イリアのせいだわ、どうしよう……」
アサク「あなたは悪くねえよ、もう泣くな」
ハプ司祭「精霊界に来てアダムを奪うことも、やつの計画の一環なんじゃろうな」
オーカ将軍が精霊禁衛軍を率いて攻撃の陣を組んでコア周辺にいる魔物たちに反撃を繰り返し、聖王オデロスがコアの真上に雷撃の術をかけてコアを打ち砕こうとするが、まったくの徒労だった。
この時に、強い黒き光が聖地の高台から放て時空の裂け目を作り、その中から黒竜に乗っている騎士の姿が現れた。彼は響き渡る声でいう。
フィリップス「俺様は陰魔二将軍、フィリップスだ。鏡界を代表し、正式に精霊界に宣戦布告を告げる!」
このフィリップスと名乗った黒竜を乗る騎士から放たれる特殊な魔力に、ただならぬ恐怖を感じたかのように、周りの魔物たちがみな身動きがとれなくなっている。
アサク・オーカ「これは! 失踪した風族の精霊・サルの霊力!?」
アサク「どうしてあいつから精霊の力を感じるんだ!」
オーカ「いや、正しくは風属性の精霊の力と闇属性の魔力が混ざり合っている強大の力だ! この精霊界では相手になれる人いないかもしれん」
オデロス「……」
フィリップス将軍が手を振ると、黒竜から強い竜巻が襲ってくる。精霊禁衛軍軍団の大半が竜巻の勢いに耐えきれず吹き飛ばされ、何人か苦労して防御術を立ち上げて対抗しようにもあまり効果が見られない中、なぜかジェフロにだけまったく影響がなく、すこしもダメージを受けていない。その様子をみて、聖王オデロスはすぐみなに指示をだす。
オデロス「ジェフロ姫の後ろに隠れろ!」
精霊軍団が群れとなってジェフロの後ろにくっついて、ジェフロが移動すると軍団も続いてくという、なんとまあ奇妙な絵面になった。
ジェフロ「どうして私の後ろに隠れるのよ。私はあのフィリップス将軍というやからを懲らしめにいきたいの!」
そういって奔ろうとするけど、姫が動いてしまうとみな吹き飛ばされるからと、周りに止められる。
ジェフロにだけ起きるこの現象に気づき、フィリップス将軍が急に激動した様子でジェフロに駆けてくる。みながジェフロをかばおうとする時に、まさかの攻撃ではなく、フィリップス将軍がジェフロを抱き込んで強引にキスした。その場にいる全員が目の前に起きたことに驚いていると、軍団に襲い掛かる竜巻もフィリップス将軍のこの行動でやんだのだ。
ジェフロが我に返って顔を真っ赤にし、怒りと恥ずかしさが混ざり合い、フィリップス将軍を突き出して、ぱっとビンタを食らわせた。
ジェフロ「この……不届き者! この私に無理やりキ、キスするなど! 何様のつもり!」
赤くなる頬に手を当て、ガッカリした様子でフィリップス将軍はいう。
フィリップス「君は…忘れたのか……」
そしてすぐ近寄った黒竜に乗り、高く飛んで離れた。
遠くに離れていくフィリップスの後ろ姿を見て、ジェフロはなぜか、胸が悶々と締め付けられる気がした。指で先強引に奪われた唇を撫でてみると、涙が勝手に流れてくる。
ジェフロ(心の声)「この悲しい感情はいったい……?」
フィリップス将軍が精霊軍団の表に戻り、大声で言い放つ
フィリップス「精霊界の最強のものを出してこい!」
すると、オーカ将軍が陣から高く上へ跳んで、マウントであるグリフォンを召喚して背中に乗り、フィリップス将軍と対峙する形になる。
オーカ「俺はオーカ将軍じゃ。精霊界最強の守護者が相手してやる」
フィリップス「ほう、この時をずっと待っていたぞ。やっとオーカ将軍とやり合う機会がきたか」
オーカ「一つ、疑問に答えてもらおうか」
フィリップス「ふんっ、二つとも答えてやるよ。一つ、そう、俺様そこが、かつて失踪した風族の精霊・サル。二つは……お前らが知ってるサル、もともと二人いたのだ。一人が精霊界に、一人が鏡界にいる。だが、俺様の本当の名は、フィリップスだ」
すでに弱っているアサクをちらっと目をやり、フィリップスは続いてこういった。
フィリップス「そのアサクと同じ、”ダブルフェース”をもっている」
オーカ「なんだと!」
アサク(心)「”ダブルフェース”……ってなんだ?」
この時、ゴーストカードがフィリップス将軍が身につける剣をみて、慌ててアサクに話しかける。
ゴーストカード「大変です。あの人、【月輪ノ剣】を持っています!」
アサク「そんな、まさか」
ゴーストカード「僕のセンサに間違いはありません。なぜなら僕と【月輪ノ剣】は、セットのゴーストカードだからです!でも、なぜあの人が【月輪ノ剣】を持っているんでしょうか」
フィリップス「国としての挨拶はここまでにしょう。そろそろ戦いを始めようか、まずは……」
フィリップス将軍が指を鳴らすと、精霊聖地に現れたコアが急に色が変わって、『逆時震盪』を引き起こす状態になった!アサクを含めて精霊族の全員が、自分の目を疑わずにいられない!
アサク「あいつ! 『逆時震盪』を加速させやがった!!! 早くコアを封印しなきゃ!」
でも依然と体力がもどらないままのアサクは、魔獅子の背中から降りる気力もない。
アサク(魔獅子に)「コアに触れるように、近づけてくれ」
魔獅子は指示に従ってコアのすぐそばまで近づけて、ゴーストカードがアサクの右手を支えて、コアに触れた。触れた瞬間に、コアの色の変化が明らかに遅くなったものの、アサクが冷や汗をかいてひどく苦しい表情をしている。
ハプ「よせ、アサク。それでは封印は無理じゃ、ただの時間稼ぎにしかならんし、そのままだとおぬしが力尽きでしんじまう!」
アサク「ただの時間稼ぎでもいい、もう、今の俺にはこれしか…」
するとイリアが自分の手をアサクの手に重ねた。
イリア「イリアも、お兄さんと一緒に精霊界を守ります!」
アサク(頭を少し下に向いて)「ああ」
オーカ将軍がグリフォンに乗ってフィリップス将軍へ突撃をかける。二つの世界での最強戦力を持つ男たちの対決は激しく繰り広げられて、交わる攻撃の震動波で近くにいる魔物も、一騎打ちを見守る精霊軍団も痺れさせられて、ただその場に動けずにいた。
長い戦いとともに時間が過ぎ去り、アサクもそろそろ限界を迎えてしまう。
フィリップス(オデロスに向かって)「精霊聖王よ、一つ教えてやろうか。この【鏡返ノ核】に設定されたタイムリープの時間は、ちょうど1000精霊年前だよ(人間界約41年)! そう、その精霊八大族の時代に!」
フィリップス将軍の言葉で、精霊族のみなが一気に顔が青ざめた。
オーカ「好き勝手にはさせん。混沌極まりないの1000精霊年前などに戻ってしまったら、今の世界線の神説大陸の全面的壊滅を招いてしまう!」
オーカ将軍が奥手の” 圓気裂衝砲”を発動しようと同時に、まさかのフィリップス将軍も、同じ大技をかけて決着をつけようとした。
オーカ「ほう、おまえは確か、俺のまなでしの精霊界のサルだな!」
が、それを聞いたフィリップス将軍はただ微笑んで、答えようとしなかった。
二つの技がぶつけ合うと同時に、アサクとイリアの力ももうコアを抑えることができなくなり、コアが鮮やかな赤色を放ち、『逆時震盪』はまさに引き起こされようとしていた時に。
オデロス「精霊界の王として、精霊界をいまここに壊滅させるわけにはいかん。すべての空族精霊よ、集結し伝送陣を発動せよ!」
空族精霊たちがすぐさま伝送魔法を発動する。
オデロス(オーカ将軍とハプ司祭に向かって)「精霊界を守りたまえ!」
オーカ将軍とハプ司祭はすぐ聖王オデロスのもとに駆け付けた。
ハプ(アサクに向かって)「いけ! できるだけ遠くへ逃げるのじゃ!」
聖王オデロスが手のひらに特殊のトーテムをかけると、トーテムが一匹の鷹となり、地中に向かって飛び潜った。そしてオーカ将軍とハプ司祭に頷きで合図をして……精霊界最大な封印術を発動する。
オデロス・オーカ・ハプ「永凍絕界!!」
『逆時震盪』が始まる頃に、空族の伝送魔法も発動した。
フィリップス「くそ! 精霊界ごと時間を凍結しようだと! 俺様はこんなところに閉じ込められたりはしない!」
そういってすぐ時空の裂け目を開けたが、ジェフロを一目みてから裂け目に入って姿を消した。
『逆時震盪』は永凍絕界によって止められてが、同時に伝送陣も停止してしまい、すべての精霊を伝送することはなく、アサクは幸運にも、伝送で逃げることができた。その瞬間に、ハプ司祭の声が聞こえた。
ハプ「精霊界を救うのには、精霊女王アランダを見つけるしかない。頼んだぞ、アサク」
アサクは涙が止まらないまま、伝送通路に入り、そのまま気絶した。
この戦いの末、精霊界の時間は止まったままになり、誰も入ることができず、そして、誰も出られなくなってしまったのだ。
第四章:人魚之淚
神説年暦36722年 8月19日 月曜日 午前十時
目覚めたアサクが初めに聞こえたのが、ゴーストカード、魔獅子とイリアの三人の声だった。
ゴーストカード、魔獅子、イリア「よかった!」
ゴーストカード「マスター! やっとお目覚めですか!」
イリア「もうーお兄さん! 二度と目覚めないかと心配したんだから!」
アサク「俺は……大丈夫だ。ここどこだ?」
ゴーストカード「僕たちは幻獣界の人魚国に伝送されたのです。女王様がこのお部屋を手配してくださいました!まさか一週間も眠り続けるとはな」
周りを見渡してみたら、さんさんと輝く日の光が水を通して照らしてるとても暖かい部屋だが、どう見ても女性の部屋だ。
ゴーストカード「人魚国には女性しかいませんからね」
アサク「ええ……」
アサクの身の周りにたくさんの花が飾っている。
アサク「で、この花はいったい……」
ゴーストカード(肩を軽くすくめてニヤっと)「マスターのファンたちから送られてきたものです。もう人魚国丸ごと虜にしちゃってるくらい大騒ぎですよ。お見舞いといって花を何度も持ってくる子もいます。なにせ女王様が自ら『美しき眠りの精霊王子』という異名をつけちゃうくらいですからね……」
魔獅子が顔をそらして笑いをこらえている。
そのとき、外から雑踏とした人の声がしてきた。ゴーストカードが、もう起きたってバレたら大変な目に合うから、早く寝たふりをするようにとアサクに合図し、ぬいぐるみのふりをした。アサクが横になって寝たふりをすると、やはり十何人の人魚の女の子がプレゼントと花をもって部屋に入ろうとする。魔獅子がすぐ姿をけして入口を塞ごうとしたが意味がなく、女の子たちが部屋に駆け込んできて、祝福を込めてアサクの頬にキスして、わいわいとはしゃいでからやっと部屋をでた。
皆出た後、アサクは起き上がり、キスされた頬を少し撫で顔を赤くして、満足しそうに笑った。それをみて、隣のイリアは不機嫌そうに口を尖らせた。
ゴーストカード(アサクの頭に一発殴って)「しっかりしなさい!」
アサク「俺見世物じゃねえし。早くここを出て情報を探そう」
イリア「お兄さん今や『美しき眠りの精霊王子』ですから、そのまま外にでると騒ぎになっちゃいます。イリアが変装して差し上げますわ」
人魚国は結界によっと海の中に沈んでいる王国で、結界の中なら、地上と同じように呼吸ができるところ。
この日、大通りに変な歩き方をする一人の人魚(?)の女性(?)がいた。そう、それはまさに、髪型を変えて化粧もし、方にピエロのぬいぐるみを乗せたメイド服姿のアサクだ。その隣に人魚に成りすましたイリアと、術で姿を消した魔獅子。
アサク「なんで俺が女装しなくちゃならねえんだよ! 不格好だし、下スースーするし!」
イリア(笑いながら)「パンツを履かないからでしょう」
アサク「女のパンツなんてぜってー嫌だ!」
ゴーストカード「こうでもしないと、街中で正体ばれたら、何千何万の人魚の女の子が寄せてきますよ」
魔獅子「さすがにそんな大勢は止められませんな」
アサク「ここ一体どうなってんだよ。空気もすごく濁ってる気するし、風もない、なんか変な感じ」
ゴーストカード「人魚国は昔からとても排外的で、特に同じ幻獣界の百獣国とは敵対関係です。僕も魔獅子も百獣国の民なので、気付かれないようにしないといけません。人魚国は精霊界との関係がとても良いと聞きます。それで、こちらに伝送されたかもしれません」
二人が会話している間に、イリアがすれ違った天使魚と交流し始める。
アサク「魚と話してんの?」
イリア「イリアはすべての生き物と意識疎通ができるのです。かわいい子をみたんら友達になりたくなるんですよ。」
アサク「俺はゴーストカードと魔獅子としか話せねえから」
この時、向かいに何人のメイドを連れて歩く貴婦人らしきの女性がアサクをしげしげと観察する。今にもバレたかとはらはらする二人だが……貴婦人はイリアを眼中にない様子でアサクに話しかける。
貴婦人「あら、ちょっと胸が足りないけど、なかなかじゃないの~あなた、名は何という?どちらの使いなの?」
アサク「お、おそれいります。あ、アクリアといいます。えっと、マダムメールに仕えております」
貴婦人「なんと! あなたのような美人が、あのメールに仕えてるなんて、もったいないわ!」
貴婦人すぐ懐からパールを十個取り出してアサクに渡してこういう。
貴婦人「はい、持って、これは前金よ。すぐあのばばあのところを出て。明日からヴィタリス公爵邸に来なさい」
勝手に言い終わると、パールを手にしてポカンとした顔のアサクたちをお構いなしに、メイドたちを連れてその場を去っていった。
アサク「おっぱい足りないとか……」
イリア「アクリアって……ははははは~女装でもお気に入りされちゃって、すごいですわお兄さん!しかも、デタラメに言ったのに、まさか本当にマダムメールがいるなんて、はははは」
となりにいる魔獅子がもう笑いすぎて腰がぬけそうだ。
アサク「笑う場合か! 大事な任務があるんだぞ! コアがどうなってるわかんないし、ハプ司祭が精霊女王を見つけて精霊界を救えと俺に言ったんだ。メイドごっこしてられるかつうの!」
ちょうどおなかが鳴ったから、近くのレストランが見えて、とりあえず腹ごしらえをしようと店に入った。イリアが天使魚とバイバイして、アサクと一緒に一番目立たない隅っこの席に座ると、メニューに目を通す。
アサク(メシューを見て)「ワンセットでパール一つ!?」
ゴーストカード(すぐアサクの口をふさぐ)「しー、大声出さないでください。嫌なら女王様が用意してくださった部屋にお戻りになれば?なんでも使い放題ですよ」
アサク(プルプルと)「ぜってーやだ。(ちょっと恥ずかしく)まあ女の子にモテるのは悪い気しないけど…」
イリア(一発殴って)「お兄さんのスケベ!」
店員「お決まりですか」
アサク「セットを四つくれ」
店員「お二人でそんなに? 本当にたべられますか?」
アサク「大丈夫。食べられるよ」
店員「かしこまりました。ではパール四つ、いただきました。すぐご用意いたしますね」
食事が運ばれたら、アサクは飲み込むようにパクパクと食べて、ゴーストカードと魔獅子はテーブルの一角にコッソリと食べた。
アサク「俺たちはやく人魚国から出るべきだと思う。百獣国へ行って俺の友人のブラッド国王に助けをもとめよう」
魔獅子「そうはいっても、人魚国では【折畳ノ廻廊】の使用を禁止してるから伝送は無理です。地上の百獣国へ行くのには連結通路を通らなければならないが、もちろん警備がつけてるから、人魚女王の許しがないと通してもらえないんじゃ…」
イリア「それに、何の挨拶もなしに消えるなんて、失礼極まりないことですわ。ここはやはり一度女王様にお礼を申し上げに謁見をした方がいいとイリアは思います。」
ゴーストカード「人魚国と精霊界とは交流がありますが、わざわざ『美しき眠りの精霊王子』なんてマスターの存在を宣伝することに、なにか良からぬ意図を感じます。」
アサク「でもなぁ、戻らないとすると、金を稼がなきゃだな……」
イリア(笑いながら)「お兄さんにメイドになって、イリアたちを養っていただくしかほかありませんね」
ゴーストカード・魔獅子「そうですね」
アサク「なんで俺ばっかりー」
楽しい会話の中で、誰もすでに人魚兵士に囲まれたことに気づかなかった。
人魚兵士「精霊界からきた高貴なる友よ、ご相談があるので王城へと、女王陛下直々のお誘いでございます。」
アサク「あ、見つかっちゃったか」
人魚国王城へ移動する途中でも、熱心のファンたちが道の両サイドを囲んでアサクに“精霊王子さま、愛してる”なんて歓声を上げていた。
夜の人魚国王城にて、案内された正殿では、人魚女王が王座に座っていて、アサクたちの到着を待っていた。二人は一礼する。
アサク「女王陛下、精霊界のアサクと申します。貴国に来たのはその、事故によることでして、どうかお許しください」
ミカナ「わたくしが人魚国女王・ミカナと申す。付き人の二人も、姿を現すがよい」
ゴーストカードと魔獅子は一斉に術を解いて現し、女王に跪いて挨拶を。
ゴーストカード・魔獅子「ご無礼をお許しください」
ミカナ「よい。状況はわかっている。皆のもの、もう去るがよい」
そして正殿には、アサクたちと女王だけが残っている。
ミカナ「わたくしに着いてまいれ」
女王がアサクたちを宮殿にあるガーデンの一角へ連れてきた。
ミカナ「静かに見ておれ、そして何があっても、アサク、わたくしに合わせておくれ」
どういう意味かさっぱりだが、アサクは了承した。
この時、ガーデンに若い女性が歩き出て、上から真っ白な髪をした精霊らしき男が、女性の前に舞い降りてきた。二人は愛情深くに見つめ合い、男が貝殻とクリスタルで飾った花束を取り出して、女性に話しかける。
白髪の男「人魚姫・ユリア、どうか、俺と結婚してくれ」
ユリア(首を振りながら)「フルフィ様、ごめんなさい。婚約はお母さまにお許しを請わなければ、お約束できませんの」
白髪の男(手を引き)「ならば駆け落ちだ!」
ユリア(もう一度首を強くふる)「私もあなた様をお慕い申し上げておりますが、そのようなことは許されませんわ」
フルフィが強引にユリアを連れて行こうとすると、ミカナ女王が影から出た。
ミカナ「この無礼者、娘からその手を離し、今すぐ立ち去れ!」
フルフィ「女王だからって俺が怖気づくとでも思うのか。本気で暴れたら、この人魚国では俺に勝てるやつなんかいないぞ」
ミカナ「さぞ傲慢とみえる。まあ確かに、わが人魚国は、強いおのこを国王にし国を守ってもらう必要があるが」
フルフィ「はは、それって俺たちの婚約を認めるってことだろう?」
ミカナ「国王は実力と美しさを備える随一のおのこでしかなれぬ」
フルフィ「それはそれは、お褒めに預かり光栄だ、女王陛下」
ミカナ「否、その資格があるのは、そなただけではない。最近王国にいらっしゃった『美しき眠りの精霊王子』が、そなたより容貌が優れて、国民に愛されているのだ」
そう言って、アサクが隠れている物陰に指をさした。
アサクは仕方なく出てきて、どうにもかたくるしい感じで言う。
アサク「俺こそ、真の国王になれる精霊王子だ。貴様、俺をみてさっさと恥じ入って消えるといい」
フルフィ「ならばやってみようじゃないか、誰が勝つか定かではないぞ。な?精霊族のアサク」
アサク「! なんで俺を知ってる??」
フルフィ「……」
ミカナ(一度手を叩く)「もうよい、口喧嘩はおよし。女王たるもの、公正公平でなくてはな。ならば、正式に試合を行うことにしよう。勝つほうが、ユリアの夫となり国王になる。」
アサク「なんだって!?」
フルフィ「のった! いつだ?」
ミカナ「三日後、人魚国のコロシアムにて。」
ユリア「お母さま! なぜそのような勝手な約束を……あんまりです!」
悲しむユリアは泣きながら走っていった。
フルフィ「首洗って待ってろ」
そして飛び立って夜の空に消えた。
アサク・ゴーストカード・魔獅子「はめられた……」
女王は静かに頷いて微笑みをみせた。
正殿に戻ると、アサクがトンと床に座り、とても不機嫌な様子だ。
ミカナ「すまなかった。がしかし、それも無礼を承知で仕方なくしたことなのだ。なにせ、人魚国にはもはや幻獣であるあやつを止めるのに十分な力を持たぬからのお」
アサク「幻獣?フルフィのことですか、女王陛下」
ミカナ「いかにも。あやつが幻獣界百獣国『幻化部族』狐の一族のもの。人魚の民は決して百獣国のものと結ばれてはならぬのだ」
魔獅子「今の幻獣界では三大国が均衡の敵対状態にあります。ゴーストカードと自分も、囚われてないだけでも幸いってくらいです」
アサク「でも、人魚国って軍備がそこまで弱まってますか。それに二人が愛し合ってるのなら、別に硬く掟を守らなくても」
女王が立ち上がり、王笏で王座の真上を指すと、天井が突然崩れて、その奥にあるのは……
アサク「鏡返ノ核!? しかももう真っ赤で……すでに震盪が発生した!」
すぐ【不帰ノ羅針盤】を取り出して、巻き戻された時間を測るが、なんの変化も見られない!つまり、人魚国が『逆時震盪』の影響を受けなかったことになるが、ありえない。一体どういうことだろうと、アサクは驚きを隠せない。
その時、大量の魔物がコアから湧き出して、みなすぐ戦闘態勢に入る。その中の一匹が女王に襲い掛かる。
イリア「陛下! 危ない!」
驚くことに、魔物が女王の体を触れることなく、そのまま通ったのだ。
ミカナ「心配ない。精霊アサクよ、この鏡返ノ核を封印してもらえぬか」
アサク「わかりました!」
仲間の援護でコアに近づけて、【聖獄ノ籠】で封印を成功すると、呪縛から解き放ったように、今まで人魚国を覆う濁った空気が一気に晴れた。
再び王座に座り、女王はことの真相を語り始める。
ミカナ「コアが出現したのが半年前のこと。我が人魚国軍隊の総出でも、魔物の軍勢には太刀打ちできなかった。そして、『逆時震盪』が起きたのだ」
アサク「ではなぜ時間の変化が測れなかったのですか?」
ミカナ「それは巻き戻された時間の長さが130年がゆえ。130年前、人魚国はこの深い海の底ではなく、ちょうどここから真上の島にあった。海に沈んだのが30年ほど前のこと」
ゴーストカード「てことは、震盪のせいで130年前の人魚国が今再びそこで現れたってことですか」
ミカナ「そうじゃ」
アサク「じゃ震盪の後…ここは……」
ミカナ「消し去られてしまったよ、なにもかも。今そなたたちが見るすべてが思念体だ。それでも、我々は今もこのように、ここにおる。」
左耳に飾ってる雫の形をした耳飾りを取り、女王は続けた。
ミカナ「これは人魚国の国宝・【人魚ノ涙】というもの。『逆時震盪』の際に引き起こされた全国民の恐怖と悲しみが、【人魚ノ涙】の力を発動させた。」
アサク(悲しむ)「今目の前の女王陛下も、ここにきてから見た人魚たちもみな……【人魚ノ涙】の力によって保存された魂ですね……」
イリアがもうこえずに泣き出している。
ミカナ「心優しき精霊、アサクよ。わたくしは、ユリアとフルフィの愛を、婚約を認めぬわけではない、できぬのだ。そうさせてしまったら、ユリアも民もみな、国が滅んだこと、自分がもうこの世にいないことを思い出してしまう。どうかこの秘密を、守っておくれ」
二人は涙を流しながら頷いた。
ミカナ「芝居でもよい。フルフィを破り、ユリアと結婚し新たなる国王になって、民に希望を与えてやっておくれ。そしたら【人魚ノ涙】も役目を遂げ、人魚国は幸せ満ちる中で消える。これがわたくしの最後の願い、手伝ってくれるかい」
アサクは黙ったまま頷き、イリアが王城に響き渡るくらい大泣きをした……
三日後。
人魚国のコロシアムは人で賑わっている。ほぼ全国の人がここに集まって、人魚の姫君の夫を決める試合を楽しみに待っているのだ。
用意を済ましたアサクはゆっくりと、会場へ続く廊下を通り、コロシアムに入る。
第五章:幸せの微笑み
神説年暦36722年 8月22日 木曜日 午前十時
ほぼ全国の人が集まったコロシアムでは、熱烈な歓声が上がっている。今日の試合で、ユリア姫の夫となる、新たなる国王が決まるのだ。みなの期待の中で、試合が始まった。
アサクとフルフィはリングの中央に立っている。すでに対峙する二人だが、表情から気持ちの差がうかがえる。今にも暴れ出しそうに興奮しているフルフィに比べて、アサクはどこか悲しみを漂う感じだ。アサクが女王に一目をやると、女王が軽く頷いた。その左には泣き止まないユリア姫に、右がイリアが座っている。
法螺貝を吹き鳴らす音がコロシアムに響き渡り、試合開始!
フルフィが手にエネルギーで形成された槍で襲い掛かり、アサクはゴーストカードと魔獅子の力で武装状態で構える。【日輪ノ剣】と【光ノ槍】がぶつかり合い、火花を放つ。一進一退の攻防戦はどちらも譲らない気合だ。この時、フルフィが“光剣魔法”で攻め寄せてきて、驚いたアサクはすぐ左手のシールドで防御した。
アサク「! 見間違いじゃねえよな、あれは俺の光剣魔法だよね?」
魔獅子「はい、確かに、光剣魔法です」
フルフィ「あれ、おかしいな。アサク、お前魔法が得意じゃなかったっけ?なんで剣ばっかり使うんだ?魔法はどうした?」
アサク「う……」
ゴーストカード「マスター! このフルフィ、なぜか懐かしい気がします。きっと僕たちが知ってるものです。」
フルフィ「面白くなってきたな。んじゃ、遠慮なくいくぜ!」
手のひらからどんどん光剣魔法を打ち、同時にアサクに向かって突進して【光ノ槍】を突き刺す!
アサクは右手に持つ【日輪ノ剣】で【光ノ槍】を受け止め、左手に正三星陣魔法を自分に向かってきた光剣を吸収しようとしたが、三発までしか容量がなく、やはり何発はくらってしまった。そして体を捻り三星陣魔法“極光聖破”を出した!この攻撃を予想できなかったフルフィは間一髪でこの攻撃を避けたが、余裕を与えずに続いて【日輪ノ剣】を振って出された“陽輝閃撃”の挟み撃ちについに負傷、慌ててアサクとの距離を引き離した。
フルフィ「やるじゃないか、でも光属性の魔法攻撃は、同じ属性の俺には効果が出ないぞ。吸収での反撃だけじゃ、俺を倒せない!」
そういって、真っ白な長い髪を持つ精霊の少年の姿が歪み、巨大な白いキツネと変身した!そして周りに同じく白いコギツネが何匹も一緒に現れた。
アサク「うっ、俺キツネ苦手なんだけど……」
コロシアムに悲鳴があちこちから聞こえてくる。人魚国の人たちが逃げ回り、愛する人が異形のものに変貌したのを目の当たりにしたユリアは恐怖で戸惑っていると、これそこがフルフィの真の姿だと女王に告げられ、騙されたと思わず涙がこぼれる。
巨大な体と尾を駆使して攻撃してくるフルフィ。魔法による攻めも止まらず “星雲貫通銃”を出した時、アサクはゴーストカードと魔獅子を離して、両手同時に正三星と逆三星陣魔法を発動し、フルフィが放つすべての光の矢を吸収した。
空中に高く飛んで、両手の手のひらを合わせて、左には正三星の陣、右には逆三星の陣、天地印結!両手の陣魔法が一つになり、光の六星陣魔法を放つ!!
アサク「霸・極光殺陣!!」
全方位からの光剣がフルフィに襲い掛かった。同じ属性だと効果が弱まるが、無数の剣陣でフルフィがバランスを崩したそのすきに――
アサク「こい!【日輪ノ剣】!」
ゴーストカードが変身した【日輪ノ剣】を右手に握って、フルフィの頭の上に飛び乗り、剣のさきを脳天に打ち込みとする時、魔獅子が突然アサクを止めた。
アサク「魔獅子?」
ゴーストカードも変身を解けてアサクにやめるように願った。
アサク「なんで止めるんだ?」
ゴーストカード「フルフィが誰なのか、まだわからないのですか、マスター」
その時、力尽きたフルフィが倒れて、本当の姿――一匹の小さな白いキツネに戻った。
イリア「かわいいですわ!」
ユリア「その姿なら、いいかも……」
女王の睨みで二人はすぐ口をつむいだ。
フルフィ(アサクに跪いて)「強きものに従いしもべとなりて、われここに契約を結ぶことを誓う」
そしてフルフィの体が無数の光の粒子になり、アサクの手のひらに集中すると、ゆっくりと槍の形になった。
アサク「これは…【光ノ槍】だ! 俺が小さな頃に失くしたあの【光ノ槍】だ!」
【光ノ槍】を高く掲げて勝利のポーズをすると、コロシアムに喝采が沸いた。
ミカナ「これにて、アサクを我が国の新たなる国王、わが娘・ユリアの夫となる。さあ、みなのもの、祝言の用意じゃ」
夜、用意された部屋で休むアサクたち。
アサク「あの時、精霊界の『嘯きの谷』から人魚国に流されてたんだ。で、震盪の影響で【光ノ槍】の封印が解かれて幻獣の姿を取り戻したあなたは、ユリア姫に一目惚れして、精霊に成りすまし恋人になった。」
フルフィが黙って頷く。
イリア「だからユリア姫を連れだして、最後くらい幸せになってほしいと思ったのですね。」
フルフィ「……(泣き出す)」
アサクがフルフィの手を取って言う。
アサク「あした、一緒に人魚国を幸せにしよう」
アサクの言葉を聞いて、フルフィは我慢できずに大きく泣き出した。
イリア(フルフィを抱きあげる)「泣かないで、よしよし、フルフィ、イリアとお友達になりましょう」
翌日、盛大な婚礼が行われた。華やかなヴァージンロードを歩くアサクとユリア。傍らにいるイリアの笑顔が、なぜか少し引きつっていた。
女王自らアサクに栄光ノ指輪を付けて、新しい国王の誕生を告げる時、人々は楽しい歓声を上げながら、満面の笑みでありがとうと言い、一人また一人、ゆっくりと消えた。女王がアサクの手を、ユリアがフルフィの手を握りしめ、微笑んで感激を伝えると、耳に飾っている【人魚ノ涙】がひび割れ、二人もゆっくりと姿が消えてゆく。完全に消える前に、女王がアサクにこう言った。
ミカナ「130年前のあの人魚島へ行くがよい。王座に隠してある【人魚ノ涙】を探したまえ。それは幻獣界三大神器の一つ、必ず探し出し、わたくしに届けておくれ」
アサク「届けるって、どうやって??」
女王に聞こうにももう完全に消えて、人魚国にはもう生気が少しも感じなくなって、結界が消滅するとともに、海水が入ってきた。
アサク「ヤバい! 城が水没しちまう! とりあえず地上に逃げよう!」
ゴーストカード「結界が消えたから【折畳ノ廻廊】もう使えるはずです!」
イリアがすぐ【折畳ノ廻廊】を使い、みなを伝送した。
神説年暦36722年 8月24日 土曜日 午後三時
震盪によって再び出現した130年前の人魚島に到着したアサクたち。コアがもう封印されたので、大して強い魔物がいないし、雑魚を片付けていくと、王座の下に【人魚ノ涙】を無事見つけることができた。
アサクは【人魚ノ涙】をペンダントにして、フルフィにつけた。彼はペンダントを握りしめて涙をこらえながら誓う。
フルフィ「……今度こそ、必ずユリアを守って見せるよ」
指に付けられてる栄光ノ指輪をみて、アサクが呟く。
アサク「俺、結婚しちゃったんだな」
イリア(心)「本当に結婚したわけではないのに、なぜかお兄さんが取られた気がします。イリアが落ち込む理由なんか、ないはずのに、この気持ちは……?」
イリア(涙目でアサクに抱きつく)「イリアはずっとお兄さんと一緒にいます。イリアを一人にしないで」
アサク「? どうした? 大事な妹を置き去りにするはずねえだろう。よしよし」
イリア「イリア、お兄さんが大好きです。お兄さんのお嫁さんになるのはイリアだけですよ!」
アサク「え?」
一瞬、沈黙の時間が流れた。
話を変えようとゴーストカードが言う。
ゴーストカード「これからどうします? マスター」
アサク「俺がエデンの村に向かう前に、すでに妖精界の時間図書館で『逆時震盪』が起きていた。そして、今回の人魚国、正直ショックだよ……妖精界の現状が気になる。だから妖精界へ行こう、もしかしたら時間図書館でなにか新しい手がかりが見つけるかも」
一同「うん!」
【折畳ノ廻廊】を開いた。アサク、イリア、ゴーストカード・ウダ、魔獅子・サモエドに新たに加えた幻狐・フルフェ、一行が次なる目的地・妖精界へ向かう。
第六章:矛盾たる真義宝典
神説年暦36722年 8月28日 水曜日 午後七時
アサクたちが妖精界に到着するものの、妖精の森に迷い込み、どうしても妖精王国にたどり着けない。
アサク「妖精界の結界って厄介だな、まるで迷宮みてぇだ。どう歩いても出れねえし、【折畳ノ廻廊】で直接伝送もできない。これじゃいつまでたっても時間図書館にたどり着けねえぞ……」
新しくできた友達のガガ鳥を肩に乗せて、イリアも疲れた顔でいう。
イリア「もう歩けません……少し休憩しましょうよ、お兄さん」
フルフィ「腹減ったー」
アサク「しかたない、キノコを採ろう」
フルフィ「ええ~来てからずっとそれじゃん……」
その時、おいしい匂いがどこから漂ってきた。たどってみると、池の近くに美味しそうな鍋が出来上がっている。
アサク「いい匂いだ!」
フルフィ(マイ食器を取り出して)「準備万端! 食べよう」
アサク「持ち歩いてんのそれ」
フルフィ「みなの分もあるぞ~」
ゴーストカード「盗み食いはよくありません……」
イリア「ひ、一口だけなら、大丈夫ですよね、本当にいい匂い……」
魔獅子は何も言わないが、腹の虫は誠実だ。
おいしい匂いの誘惑に負けて、みなにして “おいしい、アツアツ”と言いながら食べ始めて間もなく、一人の巨漢の怒鳴り声が響く。
巨漢「こら! 盗み食いめ!」
が、アサクと目が合う瞬間――
アサク「カーバン!」
カーバン「アサク!」
二人は古き友と久々再会した嬉しさに抱き合った。そしてゴーストカードと魔獅子にも。
カーバン「まさかまた精霊の守り神たちに会えるなんてな。会いたかったぞ!」
イリアも嬉しくてカーバンに抱きついた。
イリア「これ、カーバンさんが作った野原スープだったんですね!通りでおいしいわけですわ~」
アサク「無事でよかったよ~カーバン」
カーバン「俺先月に火族製錬師の修業を遂げるための素材集めをしに、精霊界から幻獣界に行ったんだ。帰ろうとしたら精霊界が丸々消えた感じでなぜか帰れなくて、連絡しようにも手段がないから、妖精界で何かわかるかもって思って。そんで今食いしん坊のお前らと会ったわけだ。な、精霊界に一体何があったんだ?」
アサク「……カーバン、落ち着いて聞いてくれ」
そしてことの顛末の説明を聞いたカーバンが、力が抜けたように座り込んで、またすぐ起き上がってアサクの胸元を強くつかむ。
カーバン「じゃあみんなは? 他の精霊たちは今どうなってる??」
アサクはカーバンの手が離すようにつかんで、俯いてゆっくり口を開く。
アサク「無事脱出した人がどれくらいいるかわからない。今のところ、俺たちが会えたのは、あなただけだ……」
カーバン「……くそ!」
悲憤に満ちたカーバンの拳は、一発で軽々しく森の木々を殴り折った。
ゴーストカード「カーバンさん、どうしたら妖精王国に入れるかわかりますか?」
カーバン「知ってる。でももう日が暮れた。妖精王国を覆う結界が夜になると無限ループの迷宮になる。王国へ続く道は昼でしか現れないから、日が昇るのを待つしかない」
イリア「本当に迷宮だったんですね。お兄さんが方向音痴だからとばかり思いました」
フルフィ「待つしかねえんだろ?明日のためにも今は腹ごしらえして休もう」
アサク「そうするしかないようだ」
魔獅子「みなさんは休憩を。夜番は自分に任せてください」
カーバン「そういえば、この白いキツネって誰だ?」
アサク「幻獣になった【光ノ槍】だよ」
カーバン「ええ~~、ちょっとアサク、お前、まだ何か隠してねえか?」
アサク「横になりな、ゆっくり話すよ」
神説年暦36722年 8月29日 木曜日 午前八時
朝、アサクとカーバンははっきりと目の下にくまがついてる。一晩中人魚国の出来事をしつこく聞いて、二人とも一睡もしなかったのだ。
ゴーストカード「お二人さん、一晩中ずっと話し込んでてうるさかったですぞ」
魔獅子「同意」
アサク「しつこく聞いてくるカーバンが悪いんだぞ」
カーバン「だってさ、まさかアサクが結婚するとはな、人魚国の国王にまで……それに、あんなのあんまりだよ……」
アサク(軽く肩を叩く)「丸一夜感傷に浸っててもういいだろ? はやく妖精の村に連れていってくれ」
荷物をまとめて、カーバンに続いて森に入り、しばらくして、一つの吊り橋に着いた。
カーバン「この先が妖精の村だ」
村に入ると、そこにはもうひどい光景になっている。
妖精界の東北方向、つまり時間図書館が位置する方には、険しい炎が燃え上がっていて、どうやら魔物が出てこれないように囲んでいるらしい。城下町あたりが戦闘の跡がみられるが、幸い損害が大きくないようだ。
村の妖精たちはみな疲れた様子で、その中に怪我人もいる。アサクをみると、すぐ慌てて知らせに人を出した。
村の妖精「早く女王陛下にお知らせを! 精霊界のアサク様が来てくださったぞ!」
一人若い妖精が駆けてきてアサクに話かける。
若い妖精「アサク様、待ってました! 早く王城にお越しください。女王陛下がお待ちです」
アサクたちが妖精王城に案内され、妖精女王・ルナミアに謁見することになった。
途中に見る正殿がひどく損傷であちこちボロボロになっていて、妖精女王もひどい怪我を負い、寝室に寝込んでいる。寝台のすぐそばまで案内されると、女王に付き添う侍女の一人が、カーバンに飛び込んで泣き出した。
カーバン「俺たちが来たからにはもう大丈夫だ、サナ、心配するな」
アサクとイリアはもう一人の侍女の傍に。
イリア「サヤお姉さん、大丈夫ですか。」
アサク「事情を説明してくれ」
サヤ「二ヶ月ほど前、時間図書館の中央ホールに見たことないコアが現れ、たくさんの魔物が出てきて……女王陛下がすぐ兵を向かわせたんだけど、翌日に急に強烈な震波が起きて、図書館一帯の景色が変わったし、そこにいたはずの人々もみなどこかに消えて……それからすごくでかい岩石巨獣が図書館の外壁に登り出ると、まるでそれが合図みたいに、魔物が外に拡散して周りを攻撃し始めたんです。村がもちろん、王城も免れなくて、最後に女王陛下が古代神器【火竜ノ斧】を異変の境界線に刺して炎ノ結界を張ってやっと、魔物を閉じ込めることができました」
サナ「境界線を越えた魔物を辛うじて退治したけど、それで女王陛下に怪我を負わせてしまいました……守り切れなかった私たちが悪いんです……私……」
そう言ってサナまた泣き出す。
アサク「今すぐ時間図書館に向かって魔物を消してくるよ。でもあなたたちはついてくるな。逆時震盪の影響を受けないのは精霊である俺たちだけだから」
その時、妖精女王が目を覚ました。侍女の二人はすぐ女王の傍にいって、起き上がるをの支えた。
ルナミア「精霊界での出来事はもう、夢を通してすべて知った。これは巨大なる陰謀である。敵が時間図書館を狙った理由は歴史を歪ませること。おそらく図書館で巻き戻された時間の記録は消えてしまったのだろう。どうかそこにある【真義宝典】を探し出して、わらわに届けてほしい。まだ修復できるやもしれぬ」
サヤが一つの水晶玉を取り出してイリアに渡した。
サヤ「この水晶は君たちがいるところの様子を映してくれます。これで【真義宝典】を探すのを手伝います。」
イリア「水晶でこんなことができるなんて、すごいですわ」
アサク「一刻も争う事態だ、出発しよう」
サナ「ご案内いたします」
神説年暦36722年 8月29日 木曜日 午後十二時
みなは【火竜ノ斧】を刺したところまできた。
サナ「一緒に入れないから、私はここまでです。どうかお気を付けて」
カーバンが【火竜ノ斧】に向かって言う。
カーバン「カイネ、お前まだやれるか?」
が、【火竜ノ斧】からなんの返答もない。
カーバン「どうやら炎の結界に集中してるらしい。邪魔しないでおこう」
アサク「でも、どうやって入るんだ?」
カーバン「俺は火の精霊だぞ、任せろ。 (両手を前に掲げて)陣防術・赤焔ノ壁」
カーバンがそう唱えると、火で構成された壁が結界の炎をかき分けて、時間図書館まで道が現れた。
【不帰ノ羅針盤】で測ってみると、なんと、1500年もの年月が巻き戻されたのだ。
アサク「1500年も? なんでそんなに昔にまで……とりあえず今は、中にあるコアを封印して魔物を消すのが先だ。いくぞ!」
火の道を通り、無事にホールまで着いたが、やはりそう簡単にはいかず、図書館の外壁にいた岩石巨獣が、魔物をつれてコアを守りにまた戻ってきた。
ふと気づくとイリアの隣が三尾猿になっている。
アサク「友達変えるの早すぎだろ」
イリア「ガガ鳥は火が苦手なんです。だから三尾猿に付き合ってもらうことにしましたの」
アサク「逆時震盪した空間に入って無事でいられるのは俺たち精霊だけなんだろ。なんで三尾猿を連れてこれたんだ?」
三尾猿がなぜかイリアと同じ淡いピンクの光を発している。
ゴーストカード「僕と魔獅子がこの空間に入れたのは、マスターとの主従関係でマスターの精霊の力で守られているからです。今三尾猿もイリアさんと主従関係になったから、同じように守られていますよ」
イリア(三尾猿を抱いて)「怖がらなくてもいいですよ。イリアお姉さんが守ってあげますわ。一緒に冒険しましょう」
アサク「あっそ。早いとこ用事を済ませようか。イリア、あなたはカーバンと水晶玉を持って【真義宝典】を探してくれ、戦闘中に壊れたりしたら大変だ」
カーバン「おう。イリアちゃんを俺が守る。任せろ」
そして魔獅子を召喚して魔装に変身させて防御を整えるが、ゴーストカードが【日輪ノ剣】に変身できない。
ゴーストカード「図書館の中では日の光が弱すぎて変身できません。このままフォローにまわります」
フルフィ「じゃ俺が!」
そういって【光ノ槍】に変身。槍を手に持つアサクは一振りして嬉しそうに言う。
アサク「この感覚、懐かしいぜ! 一緒に戦うのも久しぶりだな。星雲貫通銃!」
すぐ技を出して岩石巨獣と戦い始めた。
一方、イリアは水晶玉を通し、サヤの誘導を頼ってカーバンと一緒に【真義宝典】を探す。邪魔する魔物を、カーバンは図書館の土属性を利用して“陣防術・石屑爆撃”で打ちのめし、やっと宝典にたどり着けたが。なんと、コアの出現場所が、宝典の真上だ。
カーバン(叫び)「アサク! 宝典を見つけたぞ! コアもここだ!」
三尾猿が隙を見て宝典を取り出して、イリアに渡した。襲い掛かる魔物はカーバンが相手している。
岩石巨獣との戦いがどうもうまくいかない。防御が硬すぎて、傷一つまともに与えられないでいるアサク。
アサク「かたっ!これじゃ倒せそうにないぞ」
フルフィ(半泣き)「いたたた! 壊れる! 俺壊れちまうよ~~」
岩石巨獣の強力な一撃で、アサクとゴーストカードがぶっ飛ばされた。
魔獅子「マスター、申し訳ございません。もう…」
言い終わらないまま、魔獅子の変身が解けてしまい、地に転んで、傷だらけになっている。
アサク「倒せないなら策を変えよう。動けないようにして、先にコアを封印すれば、こいつも消えるだろ!」
フルフィ・ゴーストカード「どうやって??」
ゴーストカード「あっ! (フルフィをみる)光をください!」
フルフィ「! なるほど! その手があったか!!」
ゴーストカードが【光ノ槍】からの強い聖光を浴びて変身し、融合して【天斬のエクスカリバー】となった。【天斬のエクスカリバー】で岩石巨獣を射ぬいて壁に釘付けた。
魔獅子に乗ってコアのところに駆け付けて、【聖獄ノ籠】で封印すると、魔物が一斉に消えた。やっと一件落着と放心して、みんな力尽きで地に倒れた。
妖精王城に戻り、宝典を女王に渡すと、女王は妖精界の生き残った記録士を集めて、過去1500年分の歴史を再び宝典に書き込んだ。が、そこに一つ重大な矛盾を、女王は気づいて、すぐアサクたちを呼んだ。
ルナミア「この世のあらゆる命・物・出来事を記録している【真義宝典】は、間違いはないし、不足もあってはならない。だが……」
アサク「どうしましたか?」
ルナミア「……そなたに関する記述が、一切ないのだ。つまりはアサク、そなたがこの世に存在しないことになる!」
まるでこの言葉を合図のように一瞬周りの空間が歪みだして、それが消えた時には、人々の顔色が何やら違うように見えた。
サヤ「あなた誰ですか! 勝手に踏み入れるなど許されませんよ!」
サナ「侵入者がいます! はやく女王陛下をお守りください!」
ルナミア「この無礼者、わらわの寝室とわかっての所業か」
アサク(慌ててカーバンに)「俺のことわかる??」
カーバン「もちろん」
アサク「イリアは?」
イリア「大好きなお兄さんを忘れるわけありませんよ」
アサク(魔獅子・ゴーストカード・フルフィに)「あんたたちは??」
魔獅子「覚えてます」
ゴーストカード「覚えていますよ」
フルフィ「覚えてるぞ」
アサク「じゃあ、いったい何が……」
女王を守るべく妖精の禁衛軍が駆け付けて叫び出す。
妖精兵士「侵入者を捉えろ!」
カーバン(サナに向けて)「俺のことわかるかい?」
サナ「? カーバンさんでしょう? あなたとイリアちゃんがいてくれたおかげで、コアの魔物を退治できましたわ」
カーバン「どうなってる? そうじゃないんだ、こいつが俺の仲間のアサクだぞ??」
ゴーストカード「とりあえず逃げましょう、マスター」
奇妙な状況で仕方なくカーバンとイリアをその場に残して、魔獅子がアサク、ゴーストカードとフルフィを乗せて窓から寝室から逃げ出した。魔獅子の背に乗って逃亡するアサクは、複雑な気持ちで遠く眺める。
アサク「それじゃ俺は、誰だ?」
to be continued~
google play 圖書『アサク伝X真龍の魂』
同時也有4部Youtube影片,追蹤數超過9,290的網紅Chor.Draft:Japan Music Group,也在其Youtube影片中提到,リクエストをいただいたので、 #aiko さんの「#カブトムシ」をピアノで演奏してみました。 #しっとり切ないアレンジ でお楽しみください カブトムシ 作詞・作曲:aiko 悩んでる体が熱くて指先は凍えるほど冷たい ”どうしたはやく言ってしまえ”そういわれてもあたしは弱い あなたが死んでしまっ...
「少し背の高いあなたの耳に寄せたおでこ」的推薦目錄:
- 關於少し背の高いあなたの耳に寄せたおでこ 在 劉明昆的創作世界 Facebook 的精選貼文
- 關於少し背の高いあなたの耳に寄せたおでこ 在 おしゃれキリ教室 Facebook 的最佳解答
- 關於少し背の高いあなたの耳に寄せたおでこ 在 おしゃれキリ教室 Facebook 的最佳貼文
- 關於少し背の高いあなたの耳に寄せたおでこ 在 Chor.Draft:Japan Music Group Youtube 的最讚貼文
- 關於少し背の高いあなたの耳に寄せたおでこ 在 Akirito's Ukulele Youtube 的最佳解答
- 關於少し背の高いあなたの耳に寄せたおでこ 在 Akirito's Ukulele Youtube 的最佳解答
少し背の高いあなたの耳に寄せたおでこ 在 おしゃれキリ教室 Facebook 的最佳解答
【「不帶給人麻煩」思想下、香港人日本人對日本遊客被拘捕意見的分歧】(日本語は後ろ)
留意到一個香港和日本對同一件事情看法南轅北轍的現象,隨便寫幾句。
雖然我的幾句都隨時有幾千字。
有心就看吧。
日本21歲男大學生在理工大學被拘捕,香港和日本網上的評論完全相反:香港人說要推上國際、要日本禁止黑警到日本旅行又或者採取各種的制裁;但對於日本網民來說這個大學男生的評價卻一面倒以責備的為主。連周庭都忍不住在Twitter上問:「為什麼你們大比數都會譴責男生多於批評黑警呢?」
這些年來去得日本多或者學習日本文化比較深入的朋友都會聽過一句說話叫「迷惑かけない」。這句說話和大學男生被拘捕有關係嗎?
男生和家人到香港遊玩,目標是迪士尼。後來知道理工大學有示威活動之後就過去觀看,什麼都沒有做。在香港人心目中正因為他什麼都沒有做被拘捕所以非常氣憤,認為這是黑警胡亂拘捕外國人的最佳例子。
那麼我來告訴你這幾天我分別看到不同立場日本民眾的看法。
如果是支持香港人示威的,會認為這個男生「明知道人家在做嚴肅的事情卻抱着遊玩吃花生的心態去非常失禮,而且是阻礙他人做正經的事情」;如果是不支持香港人示威覺得單純是暴動的話,就更加會認為是「明知山有虎偏向虎山行,絕對是個人英雄主義作祟為了呃like打卡自討苦吃」。
部份對日本人依然有美好想像的香港人知道了之後希望幻滅,「點解日本仔仲要埋怨受害者?」,因為在香港把責任推在受害者身上是非常不要得的。穿短裙的女生難道就注定要被非禮?
可是如果我們換轉一種角度,如果電視台有一個節目推介印度風土人情,然後鼓勵女生一個人背着背包去旅行,大概也會有很多香港人出來說「鼓勵一個女孩子去這麼危險的地方,傻的嗎?」
最初六月七月八月的時候日本普遍的群眾都很支持香港人爭取民主自由,尤其是兩百萬人上街還要為救護車開路感動了不知幾多日本民眾(我先撇除了完全不看新聞又或者對政治完全沒有興趣的和豚)。
什麼時候開始聽到日本民眾割蓆呢?當抗議活動開始影響到民生的時候。例如破壞地鐵站、破壞店舖、佔領機場等等。
香港文宣隊很努力,做了很多精美的文宣一再解釋,周庭Rie和泉素行為首的KOL日以繼夜報道香港最新情況、希望消除誤解。
香港這邊已經做得很好,但永遠沒有辦法去改變一些人覺得「爭取民主自由是沒有問題,但影響到社會上其他人始終不太好吧—」的人的想法。
偏偏,我認識的日本社會普遍人的想法就是這樣。以前看過一個講法,正因為生活有規律要遵從整體,所以在列車跳軌算是一個小小的任性(一個毛骨悚然的抗議)。
關於跟日本朋友說明現狀。
近來我認為單單是可怕的海報以及觸目驚心的數字未必會讓身在另一片土地上面的人有什麼感覺,始終不是切膚之痛。台灣還可以說有唇亡齒寒的兄弟之情,日本怎麼會有?
「香港好危險小心啲」
「好慘成日都催淚彈」
「不如先離開香港吧我看到汽油彈都嚇死了」
「我聽說了連地鐵都不能坐好可憐」
「香港真的好恐怖我會叫朋友不要去」
對於這些善意的日本朋友的忠告除了說一句多謝,沒有什麼好說的。其實他們大部份都沒有真正了解事件背後,當然他們也沒有義務要這麼做。自己國家都有很多要解決的問題,你只不過是一個住遠方的普通朋友。
我嘗試改為在網上媒體照舊寫日常的生活,但講述自己如何在抗爭之中努力維持自己的生活、同時尊重抗爭者、無論他們有如何激烈的行為一樣永遠站在他們的身邊支持(例子請看我的Instagram:kirita 圖片與文字)
也就是說慢慢用自己去感染對方讓他們知道這場運動的運作,而不是硬銷圖片與文字。再精美的圖片、再精煉的文字,都首先要引起對方的好奇心。

忘記是哪一位網上作者提出的角度,我認為很有意思。
就算是文宣文章不要只是轉發,最少也要加幾句你自己的個人意見。尤其是網上媒體是你自己朋友圈子以及讀者群眾,經過你本人的修葺會增添感染的力量。單純的轉發,並不足以吸引本來沒有大興趣的群組。

方法和經驗在錯誤之中累積,很快就會踏入半年的抗爭了。中學生會變得成熟,大人都需要成長。
除了作戰方式要靈活變通,對待外國朋友我們都需要求變。
—我是分隔線—
【「他人に迷惑をかけない」〜日本人観光客が逮捕された事について〜香港人と日本人の所見の違い】
今回の件について香港と日本が同じ事に対して意見が極端に分かれている事を見受けられたので、ちらっと語らせていただきます。
かなり長くなってまいりますので、
お気軽にご覧いただけますと幸いです。
ネット上では香港人と日本人のコメントが両極端違う: 香港人はこの件について更に国際的に知ってもらい、悪徳警官の来日の禁止や様々な制裁を受けていただきたい反面、日本のネット住民はその日本人大学生を批難する一方でした。
そんな彼を批難するコメントを見かねた周庭でさえもTwitter上で「なぜ日本人の皆さんが香港警察の暴行よりも、被害者である日本人大学生を批判しているのか理解できません。」とツイート。
長年日本の文化を深く学んだ事がある方やよく日本へ行く方達でしたらこんな言葉よく耳にするのではないでしょうか?
「迷惑かけない」
この言葉は一体、日本人大学生の逮捕と一見繋がるのでしょうか?
彼は家族と香港旅行へ。目当てはディズニーランド。
後に理工大学でデモが行われている事と知り、見に行きました。何もしていません。
正に彼は"何もしていない"からこそ逮捕された事に対して香港人は怒り心頭なのです。
まさしく、悪徳警官が非道に外国人を逮捕している好例のはずなのです。
この数日間で私が見た様々な政見を持った日本人達のコメントは下記の通りです。
デモ隊支持者らの意見としては: 「先ず彼を責めたいです。面白がっている人は香港人にもいますが、外国人でそういうこと、特に自分と同じ国から来た人がすると、なおさら怒りがこみ上げてきます。香港警察の所業はそれはそれで責められるべきですが、この件の重点は、彼が話のネタに興味本位で戦場の真っただ中に入って行ったことです。」デモ隊反対派もしくは単純に暴動だと思っている人らは: 「自業自得でしょう。危ないのに。」
日本人に対して良い印象を持っていた一部の香港人は上記のような所見(コメント)を知ったとき、きっと日本人に幻滅しただろう。
「何故被害者である彼を批難したのか?」
香港では責任を被害者に押しつける事に対してとても反感を買っいます。
もし女の子がミニスカを穿いてセクハラをされたら自業自得なのでしょうか?
別の角度から考えてみましょう。
もしとあるテレビの旅行番組でインドの文化を紹介し、女の子一人でバックパッカー旅行をオススメしていたら?
きっと大半の香港人は「女の子一人でそんな危険な場所を薦めるとはバカなの?」
と思うでしょう。
最初の6月7月8月のときは、ほとんどの日本人が民主かつ自由を求める香港人を支持していたと思います。
200万人の市民がデモへ参加し、たくさんの人が街に溢れかえっていたにも関わらず、救急車が通るときは皆で救急車の為に通路を開けた事がどんだけの日本人を感動させていたか。
(一部全くニュースを見ない、もしくは政治に全く興味ない平和ボケらを除く)
ではさて、いつから日本人がデモ支持者やデモ隊に対して決裂し出したのでしょうか?
デモ活動が民生に影響が出たとき。
例えば、駅の破壊。店舗破壊。そして空港の占拠。
香港の文宣部隊(プロパガンダ)はめちゃくちゃ努力をしているのです。
少しでも誤解が解けるようにわかっていただきたくて、繊細に解説を製作しており、周庭をはじめ、Rieさんや和泉素行などのKOL達が連日香港の最新情報をお届けしているのです。
香港の方々はもう一生懸命尽くしきれていると思います。
ただ「民主や自由の為に努力して戦うのは構わないが、社会を他人に影響したらダメだよ」と思っている人の考えは変えられないです。
あいにくにも私が知るほとんどの日本人がそのような考えでした。
昔、こんなお話をお聞きした事があります。
日本人は正に全体に従い規則正しく生活を送る事。
だから電車での飛び込みはちょっとしたわがままなんだとか。(不気味な抗議の一つ)
日本人のお友達に現状について話すと。
私が思うには最近の恐ろしいポスターを見ても驚異な数字を見たところできっと別の土地の方はなんとも思わないんだろうかと、所詮他国だから身を切られる痛みはないかと。
台湾は兄弟のように唇亡齒寒な関係ではあるからまだしも、日本は?
「香港は危ないね。気をつけてね。」
「いつも催涙弾食らってて悲惨。」
「先に香港離れたら?火炎瓶見ただけでもビックリドンキー」
「地下鉄にも乗れないらしいじゃん。可哀想。」
「香港本当に怖い。行かないように周りに伝えとくね。」
このように善意で忠告していただいた日本のお友達には"ありがとう"の一言以外に何も言う事はないです。
ほとんどそう言ってくれる方々は今回の運動に対しての背景を深く理解していないし、もちろん理解する必要も無ければ義務もない。
自身の国でも解決しなければいけない問題が沢山あるし、ただ遠くに住んでいるごく普通のお友達。
私はあえてネット上でいつも通りの生活を載せ、ただどのように抗いながら自分の生活を維持しているのか、同時に抗議者らを尊重し、無論彼らがどんなに激烈な行為を行なっても永遠に彼らの味方であり、支持し続けます。
(詳しくはInstagramへ)
無理矢理強引な図や文字ではなく、ゆっくり自分のやり方や伝え方で相手に今回の運動について少しでもわかっていただければ良いかなと。
もっと繊麗な絵や精巧な文字で相手の好奇心を引き立ててみたり。
そう言えば誰かは忘れたが、とあるネット作家からとても有意義なアドバイスをいただきた事があります。
どんな文宣や文章でもそのままシェアやリツイートするのではなく、少し自分の個人的な意見を付け加えるのです。
あなたが投稿するものはあなたのお友達や読者達が、あなた本人の修繕を通すから拡散するパワーがあるのです。
単純にシェアやリツイートは本来興味がない群を引き寄せる事ができません。
試行錯誤をしていきながら方法と経験は積み重なっていきます。
この抗辯はもうすぐで半年になります。
中高生達はとても熟達しており、大人も成長しなければなりません。
作戦方法をもっと柔軟且つ融通だけではなく、外国人に対して私達も変化が必要なのかもしれません。
#我的幾句說話也超級長
#如果有看到最後的謝謝你們
#兄弟爬山各自努力做大家覺得合適的事情吧
🛫Kiri出沒注意🛬
https://www.instagram.com/kirita/
https://www.instagram.com/lomore_kiri/
https://mobile.twitter.com/wongkiri
https://www.kiri-san.com
《Kiri的東瀛文化觀察手帳》
《日本一人旅》

少し背の高いあなたの耳に寄せたおでこ 在 おしゃれキリ教室 Facebook 的最佳貼文
【昨天的難波高島屋】
人鏈活動時香港人如何忍辱負重面對當地中國人的辱罵以及挑釁。
あ、ありのままに昨日大阪のなんばで起きたことを話すぜ…
・手を繋ぐ、在日香港人たち
・中国人たちが怒鳴りちらしていた言葉
・時給千円で大量にわく
・私服警官(?)が漏らした衝撃の一言
🌸
昨日香港では、ちょうど30年前の「バルトの道」というものにならい、みんなで手を繋いで長〜い人間の鎖をつくろう!という平和で壮大なイベントがおこなわれた。
香港人の知人から、大阪在住の香港人達もなんば高島屋前で手を繋ぐみたいだけど知ってる?ときかれ、
またシールズの便乗?…とか心配していましたが、
のぞきに行った人から来たLINEには、
なんと中国国旗を掲げた集団が。
ケンカになったら日本人がドン引きするだけだ、
それはやめて、と思い、予定を変更して私も見に行きました。
香港に留学していた香港ズキなので、
行ったら香港人の友達できるかなぁ☆みたいな気軽な気持ちもありました。
すると…
なんばの高島屋前に会社帰りのサラリーマンから、小さな子供のいる家族、学生さんなど、数十人の香港人が手を繋ぎ立っています。
ある人は「香港で起きたことを知ってください」という紙を掲げながら。
それに対して、真向かいに立つ100人近くはいそうな中国人たち。
昨日の今日でどこで買ってきたん?!と思うような大きな国旗を複数振りながら、
中国国歌を歌ったり、怒鳴りちらかしていて、
怒声と香港人の「save hongkong」の声が混ざり合い、
もはや中国語か広東語かもわからない怒号の真ん中にはテレビの取材。
そして真っ赤な中国人集団の中央に立っていた女性が
「あんた達いくらもらったのよ!
こいつら金もらってるのよ!いくらもらった、言ってみな!アハハハ!」「ごみと同じ」
と中国語で絶え間なく怒鳴ってきました。
我慢ならなくなった私は前に出て女性に歩み寄り、
「すみません、私は日本人です、」
あっち(香港人側)に行きたいなら行け! と何も聞かずわめき散らす隙間から
「私は中国に住んでいましたし中国が大好きですよ。
でもごめんなさい、今日はあちらに立つことをお許しくださいね、
お金はもらっていませんよ。
彼らももらっていないし、私みたいな外国人もたくさんいるってことを伝えたかったんです」
と中国語で伝えると、
「あっちが先に攻撃してきたんだから!私たちじゃないんだから!」
とわめかれました。
※現在中国のSNSでは、救急隊員の女性の失明は香港人市民の共食い攻撃という謎デマを一生懸命広め中なので、恐らくその件
でも、
そのリーダーらしき女性の横で旗を持っていた中国人男性は、すまなそうな顔をしてくれました。
諦めて高島屋の壁に張り付くように香港人たちの方へ戻ると、
駆けつけた数人の警察と話していた私服の強そうな男性が、
香港人が冷静さを失わないよう制するかのようにみんなの顔を見ながら、最前列を歩いてきました。
目が合い
「Japanese、香港人じゃないよ」と微笑まれたので「えっ私もです!」とニコニコ返すと
男性はフッと険しい顔になり
「あのね、今分かったけど、あちらの中にやはり
中国の公安が混ざっているみたいです。
公安がいますから。気をつけてね。冷静にってお友達に伝えてくださいね」
耳慣れない言葉に
「まさか?」と半信半疑で、とりあえず近くの香港人さんには伝え、みんなで怯えていました。
するとリーダーとおぼしき中国人女性が
じっと立つ老若男女の在日香港人たちに向かって
「あんた達どうして話さないのよ?
怖いんでしょう?お金で雇われてるだけだからでしょ?
違うんだったら、出てこいや!
あたし達ケンカしようや、オラ、ケンカしてみろ!
お金もらってるだけの香港なんてどうでもいい奴らでしょ?違うならやってみろよ!
ケンカしようや、来いや!」
と怒鳴りはじめました。
ずっと続きました。
ー明らかに衝突を煽っている…。
香港人達は誰一人挑発にのることなくじっと侮辱に耐えていましたが、
私は、あまりに見え透いた手口を初めて間近に見て衝撃を受けました。
🌸
そのうち警官が、危ないから帰りませんか、と促してきて、
(私のように香港好きであろう)広東語が少しできる日本人の方が
「警察が帰れと言っているから帰りましょう?日本人も怖がってしまうから」と
通訳してまわり、在住香港人たちは日本大好きなので、
別になんばを混乱させたいわけではないので、
「仕方ない、ご飯行こう、帰ろう」と言いはじめました。
解散していく香港人たちの背中に、中国人女性が
もはや薬で酔っ払ったのかと思うほどの勝ち誇った狂気じみた顔で、
「あー!こいつらお金もらってるから、仕事終わった(下班了)んだってさ!
お疲れお疲れー!仕事終わったね、お疲れー!
あんた達はお金もらった奴らでしょ!違うならケンカしてみろや!」
と絶え間なく怒声を浴びせかけます。
みな静かに侮辱に耐え、帰る。
正直、この時まで中国というものに対してネガティブな感情を持ったことはありませんでしたが、
いち外国人として、そんな中国人たちの様子が本当に気持ち悪かった。
下品かつ安直な決めつけを思考停止して妄信してわめき続ける姿と、
冷静に侮辱に耐えてスルーして帰っていく姿との対比は、
田舎と都会の対比そのものでした。
徹底的に住む世界が違う。分かり合えない。
気持ち悪い。
キモいキモい来ないで
…
…なんて、
人種差別主義者になってはいけない。でもその誘惑の強さにもう転んでしまいたい、と初めて思った瞬間でした。
くやしかった。
そして好きな中国だからこそ悲しかった。
ちなみに、去る時に
「こんなやり方をしていたら、見ている日本の人が中国のことを嫌いになるだけだよ、それは嫌だよ」
と話しかけたら、秒で
「どうでもいいわ!私たちが好きだったらそれでいいわ、
日本人なんか最初から中国のこと嫌いでしょ!あんた達が悪い!」
と怒鳴り返されました、わかり合うって幻想だね。
🌸
そして衝撃的なことに、
この中国人達は、「時給千円 高島屋で香港独立派を罵る」で集まった人達だそうです。
(香港独立なんか求めてないのにね)
公安と、時給千円で虫のように湧くプロフェッショナル。
(罵り方、神経の逆撫で方、相手からの小さな暴力をひたすら待つ姿勢がプロってた)
日本なのに。
ここは日本なのに?
怖いですね。
🌸
さて、とは言いながら、実は香港人のがわに立って
香港を応援していますよ、外国人的な感覚かもしれないけどね、
と言っている中国人の人もいました。
ここは日本だからそんなことが言える、祖国では絶対にできないもんね。
「公安がいるらしいんですけど…」と話したら、
「ああ、いるでしょうね〜」とのことでした。
あと、ヒステリックだったのは中国人のみで、他は平和なものでした。
子供に和んだり、日本人や台湾人の女の子達と、私も香港すき!と控えめに盛り上がったり。
🌸
本件の着地点は見えませんが、
なぜ中国人が嫌われるかというのをしみじみ感じてしまった夜でした。
ごめんなさい。
でも日本人も、60年代は電車の中もゴミだらけで道でタンを吐いたりしていたそうですし、
高度経済成長期やバブル期は今の中国人並みにお国自慢していたでしょう。(知らんけど)
時が緩和すると考え、忘れたいと思います。
香港で行われた「人間の鎖」の様子、山がキラキラしていて綺麗で、
ああ香港って素敵だな、と思えるのでぜひみなさん写真を見てみてください🇭🇰🌸
少し背の高いあなたの耳に寄せたおでこ 在 Chor.Draft:Japan Music Group Youtube 的最讚貼文
リクエストをいただいたので、
#aiko さんの「#カブトムシ」をピアノで演奏してみました。
#しっとり切ないアレンジ でお楽しみください
カブトムシ
作詞・作曲:aiko
悩んでる体が熱くて指先は凍えるほど冷たい
”どうしたはやく言ってしまえ”そういわれてもあたしは弱い
あなたが死んでしまってあたしもどんどん年老いて
想像つかないくらいよ そう 今が何より大切で
スピード落としたメリーゴーランド 白馬のたてがみが揺れる
少し背の高いあなたの耳に寄せたおでこ
甘い匂いに誘われたあたしはかぶとむし
流れ星ながれる苦しうれし胸の痛み
生涯忘れることはないでしょう
生涯忘れることはないでしょう
鼻先をくすぐる春リンと立つのは空の青い夏
袖を風が過ぎるは秋中そう気がつけば真横を通る冬
強い悲しいこと全部心に残ってしまうとしたら
それもあなたと過ごしたしるし そう幸せに思えるだろう
息を止めて見つめる先には長いまつげが揺れている
少し癖のあるあなたの声 耳を傾け
深い安らぎ酔いしれるあたしはかぶとむし
琥珀の弓張月 息切れすら憶える鼓動
生涯忘れることはないでしょう
生涯忘れることはないでしょう
#ChorDraft
produced by #石若雅弥
メール→ Chor.Draft★gmail.com (★は@に変えて送ってください)
Twitter → https://twitter.com/chordraft
LINE公式アカウント → http://nav.cx/9B50brd
Facebook → https://www.facebook.com/Chor.Draft/
チャンネル登録、高評価よろしくお願いします!
サブチャンネルはコチラ → https://www.youtube.com/channel/UCOGxcQAImzCdhSzw5adbT5Q
少し背の高いあなたの耳に寄せたおでこ 在 Akirito's Ukulele Youtube 的最佳解答
動画で使用している弦はこちら⇒https://amzn.to/2FZEKpy
(worth strings BE 46inch むっちゃいいのでぜひ一回張ってみてほしいです)
【歌詞&コード】
C Dm Em Esus4 E Am Dm G7
C G Am Gm7 C7 F
悩んでる身体が熱くて 指先は凍える程冷たい
Em7 A7 Em F Fm7 G
「どうした はやく言ってしまえ」 そう言われてもあたしは弱い
C G Am Gm7 C7 F
あなたが死んでしまって あたしもどんどん年老いて
Em7 A7 Em F Fm7 G
想像つかないくらいよ そう 今が何より大切で…
Am G F Em Dm G7
スピード落としたメリーゴーランド 白馬のたてがみが揺れる
C Dm Em E7 Am C
少し背の高いあなたの耳に寄せたおでこ
F Fm Em C#m7 Dm7 G7
甘い匂いに誘われたあたしはかぶとむし
C Dm Em E7 Am Gm
流れ星ながれる 苦しうれし胸の痛み
F#m Dm7 Em7 C#m7 Dm7 G7 Am7 Gm7
生涯忘れることはないでしょう
F#m Dm7 Em7 C#m7 Dm7 G7 C
生涯忘れることはないでしょう
C G Am Gm7 C7 F
鼻先をくすぐる春 リンと立つのは空の青い夏
Em7 A7 Em F Fm7 G
袖を風が過ぎるは秋中 そう 気が付けば真横を通る冬
C G Am Gm7 C7 F
強い悲しいこと全部 心に残ってしまうとしたら
Em7 A7 Em F Fm7 G
それもあなたと過ごしたしるし そう 幸せに思えるだろう
Am G F Em Dm G7
息を止めて見つめる先には長いまつげが揺れてる
C Dm Em E7 Am C
少し癖のあるあなたの声 耳を傾け
F Fm Em C#m7 Dm7 G7
深い安らぎ酔いしれるあたしはかぶとむし
C Dm Em E7 Am Gm
琥珀の弓張り月 息切れすら覚える鼓動
F#m Dm7 Em7 C#m7 Dm7 G7 Am7 Gm7
生涯忘れることはないでしょう
F#m Dm7 Em7 C#m7 Dm7 G7 C
生涯忘れることはないでしょう
少し背の高いあなたの耳に寄せたおでこ 在 Akirito's Ukulele Youtube 的最佳解答
レッスン動画⇒https://youtu.be/m5E7U5GcdFU
C Dm Em Esus4 E Am Dm G7
C G Am Gm7 C7 F
悩んでる身体が熱くて 指先は凍える程冷たい
Em7 A7 Em F Fm7 G
「どうした はやく言ってしまえ」 そう言われてもあたしは弱い
C G Am Gm7 C7 F
あなたが死んでしまって あたしもどんどん年老いて
Em7 A7 Em F Fm7 G
想像つかないくらいよ そう 今が何より大切で…
Am G F Em Dm G7
スピード落としたメリーゴーランド 白馬のたてがみが揺れる
C Dm Em E7 Am C
少し背の高いあなたの耳に寄せたおでこ
F Fm Em C#m7 Dm7 G7
甘い匂いに誘われたあたしはかぶとむし
C Dm Em E7 Am Gm
流れ星ながれる 苦しうれし胸の痛み
F#m Dm7 Em7 C#m7 Dm7 G7 Am7 Gm7
生涯忘れることはないでしょう
F#m Dm7 Em7 C#m7 Dm7 G7 C
生涯忘れることはないでしょう
C G Am Gm7 C7 F
鼻先をくすぐる春 リンと立つのは空の青い夏
Em7 A7 Em F Fm7 G
袖を風が過ぎるは秋中 そう 気が付けば真横を通る冬
C G Am Gm7 C7 F
強い悲しいこと全部 心に残ってしまうとしたら
Em7 A7 Em F Fm7 G
それもあなたと過ごしたしるし そう 幸せに思えるだろう
Am G F Em Dm G7
息を止めて見つめる先には長いまつげが揺れてる
C Dm Em E7 Am C
少し癖のあるあなたの声 耳を傾け
F Fm Em C#m7 Dm7 G7
深い安らぎ酔いしれるあたしはかぶとむし
C Dm Em E7 Am Gm
琥珀の弓張り月 息切れすら覚える鼓動
F#m Dm7 Em7 C#m7 Dm7 G7 Am7 Gm7
生涯忘れることはないでしょう
F#m Dm7 Em7 C#m7 Dm7 G7 C
生涯忘れることはないでしょう