みなさんこんにちは『泣く綾乃』を監督させていただきます板橋基之です。
工藤綾乃さんと初めてお会いしたのは2年前。
主演映画の「きみは悪くないよ」を
新宿のK’s cinemaで観た時でした。
その後、私が監督する寿司屋の広告ムービーに
出演していただきまして、
写真はその撮影終了後に撮ったものです。
話をしていると、透明感があって、人見知りせず、
屈託なく、人懐っこく、とても素直で、
役作りも真剣で、努力を惜しまない子、
という印象を持ちました。
綾乃ちゃんは、本番で泣けなかった挫折から、
泣ける女優になるために、泣く練習をし続けました。
それは、綾乃ちゃんが演技という仕事をやっていきたい、
という情熱、気力、モチベーションを持ち続けているからだと、私はそう感じました。
私は監督として、この映画で何を描きたいのだろう、
とシナリオを書きながら考えたことがあります。
ニュースでよく取り上げられますが、
若者の死因の第一位が自殺という件。
これは先進７カ国で日本だけだそうです。
自殺の理由は一つじゃないとは思いますが、
今のご時世で何が起きてるんだろなって考えた時に、
まぁ息苦しいんだろうな、と単純に思います。
例えば、子どもの運動会での徒競走では
今は手を繋いでみんなでゴール、みたいな。
それってどういうこと？って考えると、
「大人たちが子どもたちに負けや挫折を教えなくなった」
ということだと思います。
そういう子たちが、社会に出て働いている世代でありまして。
そして本屋に行けば「負けない方法」とか「失敗しない生き方」とか、そういう類の本が山ほど売られていて、
それはもう「しくじらないように振る舞うことがすべての人に要求されている」っていいますか、
「しくじったら終わりだよ」っていう切迫感がある様な気がします。
「負けちゃダメ」っていう、そんな事教わってもないのに、
いざ社会に出たら「しくじればおしまい」だよって言われて面食らう、みたいな。
息苦しいですよね。
綾乃ちゃんは、本番で泣けないという失敗をしました。
そして泣く練習を続けました。その練習が報われる保証などもないのに。そして泣ける役者になったのです。
この映画では「負け方」「くじけ方」「踏ん張り方」「立ち直り方」を感じてもらえる映画にしたい、
そう思っています。
さて、間もなくシナリオがあがります。
撮影が近づく最近は、シナリオについてスタッフとよく話すようになります。
シーンの役割について、登場人物のバックボーン、モチベーション、心の方向性、などなど。
それがもうとても面白くて楽しいやりとりなのです。
遠慮はありません。言い合います。
今はシナリオに厚みが増していく日々です。
これからロケハンをして、本読みをして、衣装合わせをして、
みんなで一緒に演技を練り上げ、そして映画を作っていきたいと思います。
本番が楽しみで仕方がありません。
クラウドファンディングでは60%を超えました。
残りあと10日です。
https://www.makuake.com/project/nakuayano/
どうか皆様のご支援をよろしくお願いいたします。
監督 板橋基之
